「就職は妥協の産物?」何者 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
就職は妥協の産物?
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「何者」って主人公の拓人(佐藤健)のSNSのアカウント名、同時に本作の就職活動を通して自分が「何者」かを模索する5人の大学生たちの抱えるテーマでもあります。
現代の若者ドラマなのでスマホ画面のアップが多いのは、おじさんには目が疲れる演出でした。
「バンド活動しかしてこなった俺には就職のエントリーシートに書くことなんて何もない」と嘆く友人の光太郎(菅田将暉)に、拓人は「就職はトランプのダウトみたいなもの、ほんとである必要なんてないさ」とアドバイスしていたくせに終盤の、自身の就活面接の自己紹介で言い淀んでしまっていましたね、これじゃ内定連敗になるのも納得。
出版社に内定した光太郎、瑞月(有村架純)は「光太郎は自分の人生の中にドラマをみつけ、その主役になれる人」って言う、何故ならバンドマンの彼が畑違いの出版社を選んだのは翻訳の仕事で海外にいる元カノに仕事を口実に会えるかもしれないと思ったからだと言う。
拓人は「自分がドラマの主人公なんて、どれだけ勘違いしているんだろう」と極めて冷ややか。演劇活動やSNSで自分の価値観、論理を貫くことに生きがいを見出している拓人だから生き方の異なる他人と交わらざるを得ない社会活動への参加はハードルがまだまだ高いのですね。生活の為には就職は必要な世の中ですから、一部の成功者を除き、演劇や音楽活動など自己表現を信条としてきた若者には為になる逸話でしたね。
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