「それなりに」何者 SHさんの映画レビュー(感想・評価)
それなりに
小説は面白かったし、俳優も素晴らしいから楽しめるとは思っていた。そしてそれなりに─。
原作は、個人的に筋とか設定とか隠されていることとか、そういった重要要素よりも、細かで繊細微妙な表現が最も好むところだったので、そこら辺の映像表現がどうなるのか楽しみにしていたけど、それらは全部省略されていた印象。
それに代わって、演劇を本編に大きく絡ませたり、ドキュメンタリー風の面接や語りなどが組み合わせたりして、工夫が見られたけれど、統一感に欠けるような印象で、思いつきだけを詰め込んだ印象がした。
原作に則った作品だったけれど、映像にしてしまうと、意外と退屈なところが目についた。もとがそうなのか、映画がそうなのか、それとも映像化が難しいのか…。
コメントする