「イマジンのいない野上良太郎」何者 かまいたちさんの映画レビュー(感想・評価)
イマジンのいない野上良太郎
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この映画を観る人は仮面ライダー電王を幼い頃に観た人か、その親世代が多いのではないだろうか。
イマジンって想像するということで、何者の主人公の拓人はかつて熱く関わっていた演劇部の先輩に「もっと想像力のある奴だと思っていた」と言われてしまう。想像力の先には相手への思いやりがあるのだけれど、拓人は自分の感性でひたすら相手を観察し、twitterでそれを呟いている。タチが悪いのは呟いた言葉が全世界に公開され、しかも本人が何度も読み返せてしまうこと。イマジン出来ない拓人は他者への思いに動かされることもないかわりに、自分も動くことが出来ない。
ラスト、彼はやっと動くことが出来るのだが、もちろんそれは他者の力があってこそ。私は電王を観ていた子供のいる世代なので、ラストカットで赤ん坊が初めて立ち上がった時に遭遇したかのような気持ちになり涙した。でも、若い電王世代の人がここで終わりなのかと思う気持ちは当然だと思う。
電王世代の人は10後にもう一度この映画を観てみたら良いとおもう。
ホラーではなく、「大丈夫だよ、バカだなあ」と人を励ます映画だとわかると思うから。
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