レッドタートル ある島の物語のレビュー・感想・評価
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幸せの在り方を考えさせてくれる良作
製作者の意図はわからないが、多くの人に認められたいと思ってしまう現代社会において、幸せとは何かを考えさせてくれる、そんな作品だった
一人きりで幸せになることは難しいかもしれない
しかし、一緒に楽しいこと辛いことを共有してくれる人がいれば、十分に幸せを感じられるのではないだろうか
漂流した場合、普通は元の場所に戻ろうとするが、幸せになるために元の場所に戻ることは必ずしも必要ではないのではないだろうか
レッドタートルが女性に姿を変えたのは男の妄想だったのかもしれない
しかし、男は幸せな死に方をした
それは決して悲しことではないのではないだろうか
ストーリーメモ
漂流した一人の男が腹いせにレッドタートルを殺してしまう
しかし、そのレッドタートルが女性となり二人は愛し合う
子供にも恵まれるが、子供が独り立ちした後、男は死んでしまう
レッドタートルは元の姿に戻り海へ戻る
映画を観た人がみんな幸せな気持ちになる
スタジオジブリが、フランスとベルギーのアニメ会社と合同合作で作ったアニメーションフイルムだ。高畑勲が、アーテイストプロデューサーとして製作に関わっている。
監督: マイケル デュドック ド ヴィット
制作: 鈴木敏夫、ヴァンサン マラヴァル、パスカル コシュトウ、
グレゴワール ソレラ、ベアトリス モーデュイ
製作会社:スタジオ ジブリ
プリマ リネア プロダクション(フランス)
ベルビジョン(ベルギー)
公開: 2016年5月
この作品は、スタジオジブリにとっては、初めての国外との共同制作による作品。第89回(2016)アカデミー賞アニメ部門ベストアニメフイルム候補作。2016年カンヌ国際フイルム祭で、視点部門特別賞受賞。
総監督を務めたマイケル デユドク ド ヴィットは、スタジオジブリ本社のある東京都小金井市に一時転居して、じっくり腰をすえてジブリの面々とシナリオと絵コンテを完成させて、高畑勲らの同意を受けてから、フランスに戻って本格的な製作に着手したという。彼は「人間性を含めた自然の深い敬意、そして平和を思う歓声と生命の無限への畏敬の念を伝えたい。」と語っている。
ストーリーは
男が乗っていた船が難破し、漂流した末、無人島に流れ着く。男は島に湖を見つけて渇きを癒し、木に登り果実を取って飢えをしのぐ。やがて枯れ木を集めて筏を作り、島から脱出しようとする。しかし、やっと海洋に出たと思うと、筏が何かにぶつかって壊れてまた元いた島に泳ぎ着く。再び、今度は強化した筏で海洋に出るが、筏が何か障害物に当たって壊れてしまう。3度目に男が筏を組んで海洋に出て、筏がまた壊されたとき、男は赤い大きな亀を見つける。男は悔しさと怒りで一杯になって浜に上がって来た亀をひっくり返して灼熱の太陽で焦がして死なせてしまう。
しかし驚いたことに、翌日亀の甲羅のなかには美しい女が眠っていた。男は女に水を飲ませて世話を焼く。女は目を覚まし、やがて二人は恋に陥る。男はもう島を脱出することを考えない。二人は仲好く島で暮らして、元気な男の子が生まれる。男の子は泳ぎも潜水も上手で、大きな亀たちを友達にして成長する。年月が経ち、男の子は一人前になって、外の世界に出て行く。そして、男は年を取り、女に看取られて静かに死んでいく。女は愛する男を亡くしてひとり、海に帰っていく。その姿は大きな赤い亀にもどっていた。
というおはなし。
台詞もナレーションも全くない。あるのは、波の音。波がぶつかり、弾けて水しぶきが上がり、水の泡が砕ける。鳥たちがさえずり、木々が風にゆられ、枝がぶつかり、こすり合い、木の実が落ち、草草がざわめく。男の砂を踏む音。女の髪が揺れる音。子供が岩を走る音。男の溜息。ひそやかな女の足音。
海に沈んでいく太陽が眩しい。美しい画面が詩になっている。
女が自分の体を包んでいた亀の甲羅を海に流しに行く後ろ姿を、男が観ている。しばらくして波の間から女が、砂地に居る男を見つめる。男は、はっと気が付いて自分が着ていた、たった一枚のシャツを脱いで、波打ち際において、島の奥に入っていく。次の画面では、シャツを着た女が、陸に上がり男の後をたどっていく。このシーンが好きだ。男の、ほのかな羞恥心と、期待と、ジェントルマンシップ。とてもやさしい男なのだ。
ジブリのアニメ―ションには、いつも元気で正しいことをする女の子が出てくる。このお話も、赤い亀が男に片思いするところから始まる。赤い亀は男に恋をして、男が島を出て行って、遠くの人間社会に帰って欲しくなかった。だから彼が筏で島を脱出しようとするたびに、筏に体当たりをくらわせて、男を引き留めた。そして自分の思い通りに男の愛を受け、幸せな夫婦になり、自分が愛した男を最後まで看取って、自分の思いを遂げた。強い意志を持った女なのだ。ここまで自己完結した完璧な人生を、彼女は自分で選んで、そして生きたのだ。幸せ者と言わずに何と言おうか。
このフイルムを見た人は、みんな幸せな、優しい気持ちになることだろう。それがスタジオジブリのマジックだ。
「理解できない、意味がわからない、何が面白いの、」
日本人は製作側に何でも求めすぎでは?
日本人は何でも自分の常識内で物事を判断する
もっと世界は広いんだ
私も初めジブリ作品だと思い観ましたが確認すると会社が携わっただけで作ってはいません
この作品には無駄な言葉がないからこそ伝わる人間と亀との種族(?)を越えた温かい心が通っている素晴らしい作品だった
妙な余韻が残る
浦島太郎のために陸に上がって来てくれた亀が、かぐや姫のように帰っていくような…日本昔話を思い出させるお話でした。
台詞がなくても(hey!しか言わない(^_^;))、美しい映像と表現で想像力を掻き立てられます。大したことは起きないけれど、試練、孤独、絶望、愛、生命、そして再生という、人間が一生かけて経験するであろうことが描かれていました。
いかだを作れる人間なら…砂浜で眠らずに、雨風をしのげる住居を建てると思うのですがね。
美しい旋律の音楽が余韻を引き延ばし、とても切ない気持ちになりました。
あたりまえの美しい世界
アニメーションの豊かな表現に引き込まれた。シンプルにして味わい深い。物語も男女の出会い、一点の奇跡と不可思議さを残しつつ、見事に何もドラマティックな出来事がない。なのに映画を観終わったら酔っていた事に気づかされる。素晴らしい。
寓話か、幻か、普遍的な家族愛と人生の物語か
スタジオジブリの初海外プロデュース作。
嵐で無人島に漂着した男の数奇な運命を、台詞ナシ、美しい映像と音楽で綴る。
観る前にはしっかり睡眠を取ってから…なんて何処かで紹介され、爆睡覚悟で観たが、大体の概要は伝わってくる。
が、訴えるテーマやメッセージはなかなかに…と言うより、これ、結構な怪作、ファンタジーとして見ても異色作に思う。
序盤は無人島に流れ着いた男の島からの脱出劇。
さほど食べ物を調達しようとする描写は無く、よくそれで生きられるなぁと思うものの、孤独さや絶望感は伝わる。
何度も何度も筏を作り、何度も何度も脱出を試みるが…。
サバイバルや脱出劇としてはあまりに淡白だし、それにタイトルの“レッドタートル”は…?
何度やっても失敗、島に戻されてしまう。
そんな男の前に現れた、赤い亀。
男は、この亀が筏を壊したとカッとなり、亀を仰向けにして○してしまう。
しかし、罪悪感に苛まされ、亀に海水をかけたりしていると、何とある日、亀が赤毛の美しい女として蘇る…!
やがて女と恋に落ち、息子も生まれ、幸せな日々を送っていたが…。
家族との営み。
暮らしの恩恵。
突然の津波は苦難。
息子の旅立ち。
訪れる死…。
突飛な設定で普遍的な人生を表しているが、これはどう解釈したらいいものか…。
ちょっと残酷でありながらも幻想的で哲学的な寓話と言ったらそれまでだが、自分はこう見てみた。
実は、男は死んでいて、この奇妙な物語は男が死に際に見た幻。
愛する家族を持ち、幸せな生活を送り、人生を全うして…。
または、人間に恋した牝亀の物語。
亀としての長寿を捨ててまで選んだ、人間としての苦難と悦楽。
しかし、人間の生は儚い。
息子は旅立ち、愛する人を亡くし、再び亀となって海に還っていく。
長寿の時の中に、深い悲しみと幸せな思い出を背負って…。
何にせよ、不思議な家族愛の寓話だったら「おおかみこどもの雨と雪」の方がずっと好きだし、「君の名は。」がノミネートされて欲しかった…かな。
"La Tortue Rouge" has no dialogue but beauty
"The Red Turtle" is a co-production between Wild Bunch and Studio Ghibli, directed by Michaël Dudok de Wit. Although this animated fantasy film has no dialogue, its music, sounds of natural things such as the wave of sea, winds or some foliages blown in the wind makes the film really beautiful and we feel really comfortable to hear those natural sounds through the film. The plot is very simple for anyone to understand. A man is drifted away to an isolated island where he encounters a big red turtle that turns out to be a beautiful young woman. They live together with their child and never fall apart till one of two passes away there. Though he is never able to go home and ends up living in the island for the rest of his life, the red turtle(wife) and he are meant to be there. It's such a beautiful story even with no dialogue. Perhaps if it had been for some conversations or dialogues, it could've not been that beautiful. Each Ghibli film is depicted in different ways to tell the audience something important in our lives beautifully!
It got a nomination for Best Animated Feature a couple hours ago by the way.
ディズニー前座アニメを長くしたような内容!!
ディズニー劇場アニメの前座短編を無理やり長くしたような内容で、とてもつまらなかったです。ジブリは若手をクビにし過ぎたため公開作がなくなり、海外で適当な作品を買い付けてきたのではないでしょうか。主人公は巨大な亀をガシガシ叩いてたのに、なぜ亀が女になって現れて子供を作るのか良く分かりません。日本の昔話で育ってきた方は因果律のないお話はしっくり来ず、退屈で何とも言えないのではないでしょうか。
日本の哲学とフランスの哲学の融合
物語はミステリアスで意味深遠で、それは確かにフランス映画を見る感覚と同じである。説明の困難なフランス的な哲学が感じられる一方で、恐らくフランスの観客がこの映画を観たらば、至極日本的な哲学の物語に感じられるのではないかとも思うような世界観。まるで「浦島太郎」や「鶴の恩返し」のように、日本に古くから伝わる神話に通ずるものが根底に流れるのを感じると同時に、それでいて例えばアダムとイブなどを彷彿とさせるような、生命の神秘と命のリレーなんかをも感じさせる、そんな言葉なき物語だ。
映画自体、説明のつかない神話や寓話のような趣があり、個人的には楽しめた。ここ十年ほどのジブリ作品は、ブランドの持つ大衆性と作品が描く哲学とがなかなか融合せず、真意が的確に受け取られないで誤解されてしまうような様子が見えたが、いっそ、この作品のように大衆性を切り離したアート作品を手掛ける会社として今後作品作りをするのも悪くないかも?と勝手ながら可能性を感じた。いまや、細田守のほか、新海誠もその名が全国区に広がった今、思い切ってもっとも大衆的だったはずのジブリが真っ先に大衆性を手放すのも、面白いかもしれないと思った。
良いんだけど眠い
一応ジブリ作品の割には全く話題になってなかったり(?)
うちの近所では何故か夜ばかり上映していてましたが、
なるほど夜しか上映しないのは正解かもしれません。
見ててとてもつまらないところもあるのですが、
なんだかおもしろいところもあって、おとぎ話みたいな作品です。
以下ネタバレ
主人公が帰るのをなんでカメが邪魔したのかが説明されてないのでわからなかったのですが、一緒に行った連れが、(距離的に)帰れないからでは?と言っていて、それで少し腑に落ちた映画になった部分があります。
泣いた映画
この作品、無声映画ということで敬遠している人が多いのではないだろうか。
しかし、無声映画だからこそ、物語のつじつまがあっていなくてはならないし、過剰な演出で誤魔化すことができないから、かえって面白かったりする。
この作品、ものの見方が非常にジブリっぽい。
単なる無人島もので終わらない。
子どもが産まれ、災害がおき、子供の旅立ちを見送り、愛するパートナーとの別れも描く。
非常に人生というものをとらえた作品だと私は思う。
そんなにストーリーが複雑なわけではない。
夢だったのかしら
なんだか…凄く地に足ついたドキュメンタリーのようで、実際は夢の中だったの?といった不思議さを楽しむファンタジーでした……そう、あれだ、ミヒャエルエンデの果てしない物語みたいな、あの世界観♪
自分の中の、経験から得た常識を今一度忘れて観てみると、最後まで気が抜けない展開にスンナリ引き込まれていけました。
難点を言えば、カニが少々出過ぎだったかな(笑)動物の本能で動く物に目が行っちゃうぶん、前後のストーリーがブツッと途切れてしまうのが残念でした。可愛かったけどね♪でもキミたち主役じゃないでしょ、ペチペチ!って気分に(笑)
これは大人のムード漂う知性的な作品に見えて、実際に終始面白く観覧してられるのは子供たちなのかもしれませんね。そう、思うとさすが!ジブリさんです。
たまにはこういう映画も悪くない。
「レッドタートル」鑑賞。
〈あらすじ〉
嵐で荒れ狂う海に放り出された男は、九死に一生を得て、なんとか無人島に漂着する。島からの脱出を試みるが、不思議な力で何度も島に引き戻されてしまう。そんな絶望的な状況のなか、一人の女性が現れる。
◎良かった所
・実は、公開初日に観に行こうとしていた作品。諸事情の関係で、なかなか観に行くことが出来ず、ようやく今日観れました(^^;
・ジブリですが、ジブリっぽいアニメーションではなく、しかも台詞がほぼありませんし、登場人物もかなり少ないです。他のレビューでは、あまり評価が悪いようですが、個人的には、良かったです。何が良かったかといいますと、やっぱり雰囲気ですね~w
・雰囲気、そしてキャラクターの細かい動きがリアル。カニと亀が可愛かった(^^)
・音楽も神秘的。
・ストーリーも単純。不思議な力で、島に戻される所やレッドタートルが女性だったこと、映像が神秘的で、表現が少しオーバーかも知れませんが、見終わった直後、疲れた心が癒されるそんな不思議な気持ちになりました。(^^)
・男性とレッドタートルの女性が愛し合い、男の子が誕生し、幼少~青年期まで成長→独立→父親の死→別れまで描かれてました。男性とその子供の顔がそっくりでしたが、髭の濃さで判別できました(笑)
・終盤は、とても悲しかったです。。あの終わり方もジーンときました。(>_<)
◎気になった所
・独立した子供はあれからどうなったのか気になる。
・舟を造るのがめちゃくちゃ早い。
・セリフがない為、想像力が必要。
~まとめ~
・あまり評価が悪いようですが、個人的にはこういう映画も悪くないかなって思いました。ジブリっぽくないけど、とても良かったです。(^^)
あまりジブリっぽくない
海外と共同制作のせいか、ほとんどセリフが無くて、描写と音楽だけ。想像してたのと違った。
個人的に絵がそこまで綺麗ではないと思った。目が点で、ちょっと雑な感じがした。
やっぱり、ジブリといったら、宮崎駿なのかな?今回の作品は、色んな意味でもジブリっぽくないと感じた。
浜辺のふたり。
この監督の「岸辺のふたり」は自身のベスト5に入っている。
こりゃもう観ないわけにはいかないなとすぐ観に行ったが、
ジブリプロデュースの長編ということで趣はファンタジー
化しており、様々な解釈ができる内容の作品となっている。
人によっては飽きてしまうだろうが、妄想に耽る性分には
もってこいの作品なので、自身は♀ということもあり早速
レッドタートルに想いが入る…この赤亀は溺れていた男に
恋をしたんじゃないか。それで島まで流したんじゃないか。
命を守るため島を出ようとした男を止め、赦しを乞う男を
受け入れるため次は女へと変身する。夫婦となって子供を
授かり成長させて…と、まるで人間のような幸せに浸って
男を生涯この島に留まらせて添い遂げた恋する赤亀の物語。
そう考えたら、あの、いかだに乗った男を見つめる赤亀の
「私よ。ねえ覚えてる?」っていう顔が愛しくてたまらない。
この妄想だと彼は不幸だったかもしれないが(帰れなくて)
その分、息子が自立して旅立ったからいいじゃないのよと
私もかなり強引なレッドタートル思考の持ち主と確信した。
(浜辺で寄り添いダンスする姿はまさに「浜辺のふたり」ね)
内容があまりない
アートとしたかったのか、よく分からないが学生が作ったと言われても信じてしまうだろう。ストーリーにも特筆すべきところはない。ショートアニメでよかったのではないか
これぞアニメーション
世間は君の名はに浮かれているが、我々はこの81分のサーガを観よう!
素朴な絵作りはエドワードホッパーとウィリアムターナーを思い出させた。蟹や鳥、コウモリなどを映すことで上手く時間の経過を表していたのは宮崎駿に通じるものを感じた。
幾何学的な直線をもつものが一切なく、本来人間はどんな生活をしていたのか、本来人間にとって大切だったものは何かを必死に伝えようとしていた。
初めの方で主人公が樽を見つけ、取りに行こうとしたら岩の間にはまり、なんとか潜水して脱出するシーンがあった。しかし樽はからっぽだった。これは我々人間のメタファーではないだろうか。
おそらく全編にわたってアダムとイブ、そしてノアの洪水がモチーフとなっているだろう。
最後に映画はセリフが少ないほど面白いと思う。
幼児、小学生は…無理かな?
会話や、モノローグでの声はいっさいありません。
海鳴り、波音、草のざわめき、鳥の声など、会話がありません。
荒れ狂う海に投げ出された男が、島に流れ着く。気をとりなおし島を探検して、果物や竹を見つけ、小舟を組む。
海に乗り出したが、海中から何かに突き上げられて、舟はこっぱみじん。
それでも、再度トライ。また、突き上げられて大破。
英気を養い、大きな舟にして海に乗り出したが、またもや大破。見たら亀が突き上げていた。
また島で舟を組んでいると、浜にあの赤い亀がいた。
怒り心頭で、亀を叩き、ひっくり返して放置。
亀は動けない、そのうちに動かなくなる。
罪悪感が出て、亀に水を掛けるが動かない。死んだ?
或る日、亀を見たら長い髪の女性になっていた。甲羅から手足と頭が出ている。
男は木と草で日差しを遮り水を与えていると、目を覚ました。
経年。いつの間にかふたりの間に男児が産まれた。
言葉を持たず、三人で生活。
青年になった息子と男と女が或る日、浜にいると海鳥が騒ぐ。
今までにないくらい騒ぐ。沖をみたら津波。
島は津波に飲まれてしまう。息子が気がつくと、一緒に逃げた母がいない、父も見当たらない。
島を探し母を見つけるが父がいない。
沖まで探しに亀と行くと、竹につかまり今にも消えいりそうな父を見つける。
三人で島にある木々の残骸を焼いて、また季節が過ぎる。
青年は、海の向こうを目指して行きたくなる。
両親は止めない。亀と一緒に泳いで島を離れた。
またふたりになった男と女。
もう、初老のふたり。
或る日、男は海を見ながら逝ってしまう。
女は悲しみ、赤い亀になり、海に帰っていく。
津波のシーンがリアルで、心がザワザワとした。
大人の子離れ…がテーマかな?
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