「オープニングとエンディングがうるさい」フローレンスは眠る chichacheさんの映画レビュー(感想・評価)
オープニングとエンディングがうるさい
オープニング&エンディングがとにかくうるさい。とにかく音が大き過ぎる。特にオープニング、結局エンドロールでキャストや監督名が流れるなら不要。ただ音が耳障りで、いくら画面が格好よくても集中出来ないし映画なのだからドラマのようなオープニングはいらない。
Aパート→オープニング→Bパート、のような流れだったが場面転換の為に用意したのだろうか?そうであれば他の魅せ方をして欲しかった。オープニングからストーリーが連想出来るでもなく、期待も弾まずガッカリ。
役者さんの演技はどれも、とても良かった。それだけに脚本の出来との落差が目立つ。主人公の言動には確かにハラハラさせられたが、ドラマティックだからこそではなく、
「そんなにガバガバな行動で大丈夫か?目撃されて通報されやしないか?完全犯罪を目指しているように見えたのは気のせいか?目標を達成する前に善意の一般市民に通報されて捕まるのでは?」
という不安からのドキドキである。ストーリー序盤から予想通りに行かず、主人公が振り回されっぱなし。しかし最後は、という展開は面白い。副社長側にとって都合のいい駒にされてしまうというのは良かったが、やはりそれ以外の場面の犯罪行為の雑さが目に付く。
また、佳境に入る時の銀の袋について、銀行側と単なる社員は何か分からないという顔をしていてもおかしくはないが、副社長側は察していても良いのではないか?結局担ぐのなら引き摺る場面はいらなかったのでは?
現社長についても最終的に何故主人公とあのような形になったのかの経緯が不明。普通ならば憎んでいても良いのでは?何故あんなにも晴れやかな顔で家族と認めているのか、その辺りを「観た人が各自補完して下さい」という丸投げはどうなんだろうか。
個人的には、バーでヒロインが真実を主人公に突き付けるシーンでキスをしなかった点は非常に良かった。これだけで全ての雑さを帳消しにしてもいい。
それと、最後のシーンでの社長の死体からの流れは予想を外さず王道だったのも良かった。
タイトルもきちんと回収している所は評価出来る。
この3点に全ての役者さんの良演技を加味して星3。
ストーリーとしては、実写ではなくいっそ小説の方が良かったのではないだろうか。映画では説明不足な点(読者の想像に任せる)が多く見受けられたように思う。
小説ならばもう少し補足が出来たのではないだろうか。
それと、エンドロールの後の宝石の演出は何より余韻をぶち壊してくれる。謎の宝石のままにしたいのであれば、宝石箱の奥に僅かに輝く青色が見え、蓋がしまっていく、という演出の方がまだマシ。
CGのせいで全てが台無しにされている。
また、一部痛い描写もあるので苦手な人は注意。