母よ、のレビュー・感想・評価
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微妙…。
てっきり病気の母の話だと思っていましたが、予想外に母を介護する娘の話でした。
映画監督という仕事を持ちながら、母親の介護をするという忙しい日々を送る女性。
仕事仲間との対立ばかりで、イライラが募るとともに、娘との会話もギクシャクしてしまい何だか上手くいかない姿が哀れです。
相手のことを少しでも思いやることが出来たら、仲間との関係も良好になるのかもしれませんが、それに気がつかないところが残念な女。
自分の求める仕事をキッチリやりこなそうとする責任感は男性顔負けですが、もう少し肩の力を抜いて生きて欲しかったです。
明日のこと
人は必ず老いて死ぬ。
母は、その生物としての老いを娘に身を持って教えてくれる存在。
老いを嫌悪したくなる気持ちは分かるが、ラストで老いた母のセリフに希望を感じました。
「何考えてるの?」
「明日のことよ」
忙し過ぎて気がつかなかったけれど、明日のことを考えられるって、素晴らしいことなのかもしれません。だって、生きているってことなんですから。
母の老いと死
クリエイターとして働き、思春期の娘がいて、離婚していて、老いた母がいる。
そして、一人暮らしの母がだんだん年老いて病気になり、余命宣告をうける。
兄は仕事を辞めて母の面倒をみている。マルゲリータは目一杯になりながらも、仕事をしている。アメリカ人の調子がよいバリーにイライラしたり、スタッフに当たり散らしたりしている。
其処此処にマルゲリータの一生懸命で、真面目、でも人の事は知らない、という面が出ていて、まるで自分の事のように感じた。
教師として長年学び教え、生徒たちにとっても母のような存在だった母親の色々な影響、教えられたり、伝えられたりした事が、マルゲリータの身体の中でモヤモヤしている事を、一つ一つのシーンが伝えている。
身近な人が亡くなる事を身近に感じた。
母よ、より、私よ。
タイトル通り、母との暮らしを振り返るよりも、私(主人公)の人間分析が非常に細かく描写されている印象。ナンニモレッティ監督自身を投影させる形に近くなっただけある。監督自身のドキュメンタリーのようだった。
人生って…。
母の病気と仕事と恋人と娘と…全てが重なるように問題が自分に降りかかってきてストレスはたまる一方。それでも不満をぶつけながらも母への愛情は変わらない気持ちが痛いほどよくわかった。
母の看病に自分の仕事を投げ得る兄にも共感。家族の絆をひしひしと感じる作品でした。
この作品があるからこそ、『映画』というものを見続けていきたい。
今年度、最後の洋画になりますか。今年度一番のベスト 作品であろう。 モレッティ監督の生み出す作品は、特別良いことや特別悪い ことが起こるわけでもない。しかし、 映画が醸し出す心地よい安心感というのか現実に起こり 得るが、なかなか起こりえない出来事を軸に、 監督としての女性、家族としての女性、病気で病院を出 たりはいったりする母の娘という女性として 色んな女性の立場で彼女と、それを取り巻く人たちが色々 な人間模様を嫌味なく描いている。
作品は、勿論、主役 マルゲリータ・ブイの演技が秀逸。
母への愛を感じました
監督の、母への愛を感じました。
車をわざと壊す回想シーン、床や廊下が水びたしになっているシーンなどが心に残りました。
母を思う映画ですが、適切な距離感もあって、静かな気持ちで見終わることができました。
バリーのキャラクターも面白かったです。
それにしても、映画監督ってやはり大変な仕事なんですね。
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