「ケツ拭き合戦」インサイダーズ 内部者たち kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ケツ拭き合戦
カッコいいはずのイ・ビョンホンがどうしようもない汚れ役で、しかも右手には義手をはめているという衝撃的展開で始まった。韓国大統領選というと、どうしてもきな臭い裏事情が後を絶たないが、そうしたお国事情がリアリティを増している。最近の日本じゃこの手の映画はどうも作れないようだ。『新聞記者』はけっこう頑張ってたけど。
主要な人物は、ビョンホン演ずる“ゴロツキ”のアン・サング、彼の義兄弟で大手新聞“祖国日報”の主幹イ・ガンヒ(ペク・ユンシク)、そして腐敗した大統領選を追求する検事ウ・ジャンフン(チョ・スンウ)の3人。さらに金の亡者である大統領候補チャン・ピル(イ・ギョンヨン)と巨大自動車企業のオ会長。サングの部下でもあるパク社長(ペ・ソンウ)は残念ながら途中退場となった。
女性を集めての性的大宴会なんてのも開かれてたけど、これは接待目的じゃなく、ほとんど自分たちが楽しんでるだけ。性的な描写があるんだったら、政敵の描写もあっていいと思うがいかがなものか。所詮、与党なんてのものは政権の座に胡座をかいているので、裏では汚いことばかり。ゴロツキのアン・サングがまともに見えるくらいだ。
やっぱり隠しカメラや隠しマイクは重要だけど、命の危険を感じたときの自白は証拠にならないとか、ヤクザにしてはかなり凝った筋書きを用意していた。物書きであるマスコミも舌を巻くくらい。そして、コネのない検事が力がないというのもお国柄なのか、それとも我々が知らないだけなのか。色々と大変なんだな。まぁ、日本でも検事と新聞記者が麻雀やってたけど・・・
二転三転する終盤の展開はちょっとしびれた。ジャンフンはコネが欲しいと常々言ってたからなぁ~すっかり騙されたよ。そして、ウネは可哀想すぎる!元アイドルだなんて聞いてなかったよ。芸能人の自殺について盛り込むと、それこそ時間がかかっちまうからしょうがないか。