「展開、言葉選び、色彩どれを取っても本当に丁寧。」ブルックリン せっちゃそさんの映画レビュー(感想・評価)
展開、言葉選び、色彩どれを取っても本当に丁寧。
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あどけない少女から大人の女性へと成長していく前半と、アイルランドとブルックリンの選択を迫られ揺れ動く後半。
ともに愛と家族をテーマに物語は進んでいきます。
観ていて思ったのは、
・ブルックリンにいてアイルランドを思う前半と、アイルランドにいてブルックリンを思う後半の主人公・エイリシュ。
・アメリカの青年(配管工)とアイルランドの青年(御曹司)。
・アイリッシュ目線でのアメリカのビーチとニューヨーカーとなってからのノスタルジックさを覚えるアイルランドのビーチ。
・同じ船の中での序盤と終盤のエイリシュ。などなど、
対比の観せ方が本当にうまいことと、場面のひとつひとつがとても丁寧に紡ぎだされているなーということ。
その真骨頂は、最終盤のブルックリンの街について聞かれたときの"大きい"と"故郷みたい"のことば。
ともに掛言葉になっていて、その言葉選びに思わずうなってしまいました。
(大きいは寛大、故郷みたいは自分がアイルランドではなくブルックリンを選んだことも暗に含んでいる)
展開、言葉選び、色彩どれを取っても本当に丁寧に作られているので安心して最後まで鑑賞できると思います。
ひとり地方から上京してきた若い女性にはまさしくドンピシャな作品だと思いますが、それ以上にひとつひとつのつくりがとても丁寧なので、コアな映画好きにもぜひご覧いただきたい作品です。
(´- `).oO(ジムを演じてたドーナル・グリーソン、エクス・マキナに続いてまた魅力的な女性にやられてしまっていて同性としてはとても心が痛みます。笑)
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