「カエルの仕事は早い」ミュージアム ncyさんの映画レビュー(感想・評価)
カエルの仕事は早い
キャストも監督の映像の風合いもとてもよくマッチした、とてもよくできた実写化映画だと思います。
公開前のビジュアルを見た時点で、主演の小栗さんは合っているというか合わせているのか原作のイメージにぴったりで、鑑賞中も終始そう感じました。カエル役も、妻夫木さんでないといけないとは全く思いませんが、それなりにいいと思いました。
しかし、見ていて腹が立ったのが、小栗さんの妻役である尾野真千子さんです。演技の巧拙などはわかりませんが、ある感情をすべて表情に、声に出す演技。元のイメージとあいまって本当にただただ煩かったです。
クライマックスで、ぎゃあぎゃあと泣き叫ぶシーンでは黙ってくれ!と叫びたくなるほど。
話の流れを考えても、この女性に感情移入させないように作ったとは考えづらく、この役だけは他の方がよかったなと思ってしまいます。
あとはムラのある美術技術?。〝ずっと美しくの刑"はギャグか?と思うほどのクオリティ。それと終盤のカエル男の顔にフォーカスするところは、モコモコし過ぎでイレイザーヘッドです。
ただ、原作に忠実にまとまりのある映画で、実写化映画の優等生的作品だと感じました。
個人的には、大友監督が、原作のえぐい内容をどのような描写で撮るかをとても楽しみにしていたので、特に、
・組織に働く男たち・・・警察署内のトイレのシーン
・一個人の懊悩・・・小栗旬の追い込まれた時の演技
・そして凄惨な事件内容・・・カエルが料理を作っているシーン
という得意そうなものの揃い踏みで、映像や演出という点では、(とても楽しむような内容ではありませんが、、)楽しめました。
直接的な暴力表現は無いとは言いませんが、私は問題なく見られる程度に抑えられていたのもほっとしました。