スポットライト 世紀のスクープのレビュー・感想・評価
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スポットライト
宗教の感覚は日本人には分かりづらいが、自分が信じていた団体があんな酷いことをやっているのを知ったら、怖いだろうということを容易に想像できる。
みんなが知っているのに、世に出ていないという怖さ。
巨大な勢力に真実は隠蔽されてしまうのか。
その真実を明らかにしようと戦い、子供たちを守った彼らは間違いなくヒーロー。
世の中には苦しみを内にかかえて生きている人がいる。
しかし、その苦しみが自分だけではないと知って、真実を話す権利があると知る時に、みんなは声をあげようとする。最後の電話が鳴り止まないシーンでそれが表現されてた。
ロビーの心情に共感。過去の自分の反省から徹底的に追い詰めた。
弁護士という自分の立場がありながら真実を話したジムはもっと称賛されるべき。
理性的な正義
久しぶりに、映画から衝撃を受けた。
社会の問題は、暗闇の中に隠れていて簡単には気付かない。問題に気付いても、根本を暴かなければ小さな記事に終わってしまう。
グローブ社による正義は、情報を集めて裏付けを取り、周りの協力を得ながら問題の根本を探求するという、地道で理性的な行動によって追及された。
記者が枢機卿を追及しようとしたとき、上司は、組織の問題だと言ってさらに探求を続けさせた。
その結果、ボストンの問題だったことが、実は世界中の問題だったことが明らかになった。
そういう理性的な行動が、感情よりも力を持つのだと思った。
この映画は、客に合わせて分かりやすく感情に訴えるのではなく、感情を抑えて事実を描くことで、問題を際立たせている。
こういう映画をこれからも観たいと思う。
真実を白日のもとに・・・
知らない事も罪である
闇を暴く新聞記者たちの戦い。
『スポットライト 世紀のスクープ』鑑賞。
*主演*
マイケル・キートン
マーク・ラファロ
*感想*
公開当時に観に行こうと思ってた作品でしたが、観に行けず、ようやく観れました。
カトリック教会の神父が児童に対する性的虐待ーそして、その真実を看過していたというヤバいスキャンダルを新聞記者たちがその闇を徐々に暴いていく作品。
ただただ恐ろしかった。の一言。
記者たちがそのスクープを暴こうと決定的な証拠を掴む為、手当たり次第に関係者や被害者を当たっていくのですが、話す者もいれば、話さない人もいます。淡々と進んでいくので、眠くなりましたが、描写がリアルなので、ずっと緊張感がありました。
キャスト陣が豪華だし、実話だし、眠くなりましたが、巨大なスキャンダルに挑む新聞記者たちの戦いが細かく描かれているので、見る価値は十分にあると思います。
最後の終り方、僕は好きです。(^^)
十何世紀も続く巨大組織の隠蔽に挑む
「教会は人間が作った組織、信仰とは切り離して考えて欲しい」
というような台詞があったけど、まさにその通りかも。
信仰心は人を救うのかも知れないけど、それを金でも性でも利用するのは人間の欲。
被害者の証言は身につまされます。
記事にするまで、時間をかけて事件を裏取りする記者の地道な作業も伝わってきました。
ゴシップ記者も、こんな感じなんですかね?
教会の隠蔽体質に斬り込み、虐待被害者が声を上げられる切っ掛けになったのは、記者冥利に尽きる有意義なスクープだったんだろうな。
自分の無知故か、キリスト教では無いからか、そんな壮大なスクープなのに全然知らなかった。
しかも件の枢機卿はその後ローマに栄転するって…。
さすが十何世紀も続く世界中に広がる巨大組織、個人は裁かれ、組織は守られる。
その後何か変わったのか?、興味があるけど、自分で調べろって事で。
それにしても、この手の映画って「アンビリバボの再現ドラマで充分」って思ってしまうんですが、
本作は演出が良かったのか見応えありました!
知りたくないこと、知らなきゃいけないこと
新聞社に新しい局長が赴任したことで神父の性的虐待に関する取材を進めることになるスクープ欄の記者たち。
取材を進める毎に明らかになる受け入れがたい事実に彼らはその土地に住む人間として悩みながらも新聞記者としての使命に準じることになります。
キリスト教というもの、教会というもの、信仰というものなど日本人には馴染みがなく、理解しにくい部分が多々あるため、ボストンという立地も含めて正しく理解するには要求知識レベルはやや高いです。
過剰な展開は無いので記者たちが取材を地道に進める地味なパートが大部分ですがテンポが良く、飽きることはほとんどなく最後まで視聴しやすかったです。
神父による性的虐待の事件数からその隠蔽、処分など嫌な事実が沢山出てくるので胸糞の悪さはつきまといますが…。
自分自身が今の職業にやりがいや使命を感じているか、と言われれば否なのですが、この映画を観て自分の仕事にプライドを持つことの重要性やカッコ良さというものを考えさせられました。
あと、邦題がセンスの欠片もなくてクソ。
ジャーナリストの責任感
歪んだ信仰
渋い役者さんたち
渋い役者さんたちが揃って、大スクープをものにしていく。
腐敗した教会組織を追い詰める目的と他社に先を越されないための限られた人数での行動。
正義感と功名心のバランスもうまく表現していたと思う。
闇の中に光が射し込むとその一点から光は広がる。
その現象を題名が現しているし、最後の鳴り止まない電話も象徴している。
その一点を獲るための記者たちの努力というものが胸に来る。
みんな名優たちだね、素晴らしい映画を見せてもらった。
カトリック教会の不正
とある新聞社に新しい局長が赴任してきた。
局長の命でカトリック教会の闇を暴くこととなる。
神父による児童虐待が起きていて、それを教会全体で隠蔽しているという実態がある。
スポットライトという特ダネを扱う記者たちはこの実態を記事にして教会の闇を明るみにしようと奔走する。
神父、被害者、弁護士に取材を試みる。
しかし、一筋縄ではいかない。
当時の苦い記憶がある被害者、倫理規定に違反するからという弁護士、教会に恐れて告発できない潔白の神父などみな一様に口が堅い。
こんな中、粘り強い取材でウラをとり、少しずつ証拠を集めていく記者たち。やがて、記事が公にされ教会の闇が暴露される。
思うに、教会とは名ばかりで実態は腐っている。少しの悪が、全体の善を覆い隠すという映画のセリフが印象的。世の中の権威の象徴に騙されずに、人間は欲のある汚い動物である、という一面が誰しも備わっていることを忘れてはいけない。
力作
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