「落としどころなし?」偉大なるマルグリット みみずさんの映画レビュー(感想・評価)
落としどころなし?
予告編の影響だろうか。
もっと明るくコミカルな内容を想定していた。
しかし、調子外れの歌以外はかなりシリアスだった。
ヒロインのおばさんは掴み所がなく、
音痴を承知の上での行動かとも思われた。
しかし、話が進むに連れてそうではないことが分かる。
夫は彼女を怪物呼ばわりで不倫中、
近づいてくるのは金目当てのグズばかり。
唯一執事のみが心から彼女に愛情を持って対応する。
ヒロインの行動は常軌を逸しているが、
その瞳の奥には常に悲しみを宿している。
救いようがない状況の中、
ラストのリサイタルに向け徐々に雰囲気が変わってくる。
夫の愛を取り戻し、周囲の共感を得て、
猛特訓の末に歌も急激にうまくなってリサイタル大成功!
そんな陳腐なラストにはなるまい、と思いつつも、
途中ロッキー的な雰囲気も漂った。
どう落としてくれるのだろう?とワクワク感すらあった。
だが、結局のところよく分からなかった。
あれで落ちたのだろうか。
私はすっきりしないままだ。
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