エイリアン コヴェナントのレビュー・感想・評価
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前作「プロメテウス」に不満を持った人こそ必見! 死を目前?ご老人のオマージュ溢れた気配り最新作をおっさんはこう見た。
マイケル・ファスベンダー主演、ということからも「プロメテウス」の続編というのが分かる。「エイリアン」シリーズを知らなくてもいいが、「あの」「プロメテウス」は事前に予習必須、というファン以外はハードな作品。(詳しくはオレの「プロメテウス」評で)しかしおばちゃんノオミ・ラパスの名前はない。あれほど勇んで旅立ったのに。
「エイリアン・コヴェナント」
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「covenant」とは「契約」とか「聖約」といった、宗教的な意味合いが強いモノのようでこのことを知ってると、今回の話はとても分かりやすく、また登場人物、特にアンドロイド・デヴィッドがずいぶん語ってくれるので、前作の、カットしまくりの本編の反省か、今作はずいぶんわかりやすい。
「オジマンディアス」の引用やワーグナーの曲を使ったりして、今作のやりたいことはアンドロイド・デヴィッドにとっての神である人間を滅ぼし、完全なる生命体の「エイリアン」を創造するアンドロイド・デヴィッド(ダビデ)が神になろうとする話だ。
ただこの創造主がゲテモノ好きで性的不能者の女好きだったという。
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興味深いところはたくさんある。
1.これまでのシリーズへのオマージュ
リドリースコットは過去シリーズについて、なかったようにしている、という評論をみたが、そんなはずがない。
そんな了見の狭い人間であれば、これまで彼の作品群に観るようなバラエティ豊かなジャンルの作品を作ることが出来なかっただろう。
1)エイリアン
もちろん、タイトルフォントや、ゴールドスミスの音楽。高身長のややスコットの趣味を疑うルックスの主人公。そしてのそのタンクトップ姿、そしてエイリアン撃退方法。ただこればっかりはもうちょっと何とかしてほしいが。
2)エイリアン2
あまり本筋とは必要がない、惑星からの脱出における、ゼノモーフ成体とのアクションシーンに「2」のリプリーとクイーンがバトルしたパワーローダー風のクレーンで対抗する。
3)エイリアン3
前作「プロメテウス」の主人公ショウ博士がさっさと死んでしまった(という説明)やエイリアン視点でのカメラワーク。
4)エイリアン4
胞子から母体の遺伝子操作で生まれる白い生体が人型まで大きくなったその姿はリプリーから生まれた新種のエイリアンを少し彷彿させるし、今回のデヴィッドが行った遺伝子操作の研究の描写はグロさ含め「4」を思い出させる。
5)その他ゲームやAVPもあるのか
コヴェナント号内での、エイリアンの動きとか、「エンジニア」の星でのデヴィッドの所業など。
2.「2001年宇宙の旅」と「ブレードランナー」
冒頭、白い部屋で人間とアンドロイドとの会話でも想起される「2001年宇宙の旅」では、人間とコンピュータとの対決に人間が勝ち、次への進化に進む話だったが、本作ではアンドロイドが勝ってしまうという。
しかし「ブレードランナー」の新作も同じようなテーマのようなので、案外「ブレードランナー2049」はもう見なくてもいいのか?と思わせるのは果たしていかがなものか。
3.ちゃんとお約束事として、エッチをしているカップルがヤラれる。
リプリーのあのやらしい下着姿を前作ではほんのちょっとだけオマージュしていたが、本作ではなんとシャワーシーンとエッチシーンがホラー映画としてちゃんとある。
そもそもエイリアンの頭部や口は男性器、フェイスハガーの口は女性器をを思わせるものとして有名なので、ようやくここでエッチをしているカップルはヤラれるという王道をしっかり見せてくれている。
リドリーはちゃんと「エイリアンはエロい」ということを分かっている。
「1」はリプリーだけでなく、ランバートへの「しっぽ」が妙にやらしく、ちょっとだけしかその再現がなかったのは残念だが。
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総じて、正直、前作と本作、単体としてはあっまり面白くはないんだけど、2本続けてみると面白い。
だが、すこし、技巧や暗喩にこだわり過ぎて、映画そのものの謎解きではなくって、YOUTUBEに挙がった「最後の晩餐」や、アンドロイド・ウォルターの映像など、映画の解説に面白味を見いだせる人向けになってしまっているのが、惜しい。
そういう意味では、こだわりのない、日本版のポスターのダサさにガッカリ。海外の、ロダンの「地獄の門」風のぐっちょぐちょのポスターが素敵だ。日本版をリドリーが許可したというが、いっそ「そのあたり」の客層を狙う方が、興行的に良い方向に行くのではないかと思うのだが。
また、胞子の病原体の描写も描きすぎ。さらに相変わらずアホな登場人物が数多くいて、緊張感を少々削がれたり、しらけたりもする。
ただし、着陸機の炎上に至るまでの過程や、船長の功を焦る動き、待ってましたのフェイスハガーに至るまでの心理は十分描かれてはいる。
追記
つい最近公開した映画「ライフ」。その思考の浅いどんでん返し風のラストなんかよりもはるかに王道のSFホラーのつくりで、かつ衝撃的なラスト。
その根底には、「エイリアン」シリーズとしての集大成的な表現とリドリー自身作品の集大成的なところもあり、それを老齢ならではの、テーマをも盛り込む。ちょっぴりつまらないアクション表現はあるものの、十分意欲的だ。
さすがである。
みんなデヴィッドの餌食になった
デヴィッドは結局どこに行き着きたいのか。
愛するショウ博士を完全体(次世代を生み出すことができる体)にしたい故に、エイリアンの母体にした?
愛し方に人間性が1ミリも感じられない…だからやっぱりロボットなんですよね。
最後まで救われない映画でした。
コント映画?(^_^;
厳密なSF探検を求める人には全編コント映画?の様に感じるかもしれません。
コント映画と頭を切り替えられないと怒りが沸くも知れません。それくらいあり得ないバカが登場してきます。
なんでこんな無能達がメンバーに???って怒りが湧きます。
当時、きっとこれはコント演出の映画なんだと思うようにして観たら怒りが薄れて行ったの憶えてます、、、(笑)
ロムルス観たついでにコベナントのレビュー書いてみました。
失礼w
ウォルターとデヴィッド‼️
「プロメテウス」のレビューでも書きましたが、やはりエイリアンがアンドロイドが実験を繰り返して生み出した生物兵器という設定には、40年間エイリアンのファンである私には違和感が・・・‼️ただ今作では、いよいよリドリー・スコット監督が第一作以来38年ぶりにエイリアンを描いてくれます‼️ホントに楽しみにしてたんです‼️ところが映画で描かれたのは、ピョンピョン飛び跳ねる、CGで描かれた宇宙ゴキブリ、いや宇宙トカゲですね‼️あの第一作の美しいまでの恐ろしさ、神々しい恐怖はどこへ行ったのか⁉️やはりエイリアンはCGで描くとダメ‼️一作目、ニ作目のように等身大の模型や着ぐるみの方が圧倒的に怖かったと思うんですが・・・‼️この作品で一番怖かったのはアンドロイドのデヴィッド‼️ラスト、冷凍睡眠カプセルの中で恐怖に震えるキャサリン・ウォーターストーンのダニエルズを見つめるマイケル・ファスベンダーの声と表情‼️ハマり役でした‼️
見やすくてよい3.39
個人的には楽しく見ることができた。
こういった未来の環境や風景、世界観が多めなのは楽しい。特に不思議な民族や、大きな木がすべてなぎ倒されているところ、燃え尽きた人々など世界観が伝わる場面が多く楽しかった。またアンドロイドの実験室はいい意味で気持ち悪く、不気味さがあってよかった。
あまりエイリアンメインではなく、どこかエイリアンがおまけな雰囲気もして、AI、アンドロイド、創造性など今に通じるような部分が映像表現として多かった気がする。個人的にはめっちゃ良かった。
無機質な閉鎖空間でひりつくようなホラー感、ドキドキ感は少なめだったので、ビビリの私にもちょうどよく見れた。
気持ち悪くて凶暴なエイリアンの復活と、知的でしっかりとしたヒロイン像には拍手
リドリー・スコット 監督による2017年製作(122分)のアメリカ映画
原題:Alien: Covenant、配給:20世紀フォックス映画、劇場公開日:2017年9月15日
「プロメテウス」を未見で本作を見てしまったので、人間を創ったという異星人エンジニアの描写等、良く分からなかった部分も少なからずあった。ただ、アンドロイドのデヴィッド(マイケル・ファスベンダー)が、創造主になりたくて意図的にエイリアンを誕生させたという主題は理解できた。
最後の展開には意表を突かれた。てっきりハッピーエンドと思ったその時からの一気の暗転。後味は最悪だが、なかなかの脚本とも思った。また、AI知能が実用化されてきている現状もあり、人間への叛逆のリアルな恐怖の様なものは感じた。
一方、未知の惑星に到着し、空気の組成が地球と同じということで、未知の有害微生物の存在が予想される中、全く無防備で呼吸をし、エイリアンに体内に寄生されてしまうという物語設定は、遠い未来でもあり、いくら何でもあり得ないだろうとは思ってしまった。
リドリー・スコット監督作だけに、エイリアンはシンプルに気持ち悪くて凶暴で、第1作のエイリアン像に戻った感じであった。そして、男たちと異なりしっかりとしたヒロイン役キャサリン・ウォーターストンはタフな感じは無いもののとても知的で魅力的で、好演と感じた。
監督リドリー・スコット、製作リドリー・スコット 、マーク・ハッファム 、マイケル・シェイファー 、デビッド・ガイラー 、ウォルター・ヒル、キャラクター創造ダン・オバノン ロナルド・シャセット、原案ジャック・パグレン 、マイケル・グリーン、脚本ジョン・ローガン 、ダンテ・ハーパー、撮影ダリウス・ウォルスキー、美術クリス・シーガーズ、衣装ジャンティ・イェーツ、編集ピエトロ・スカリア、音楽ジェド・カーゼル、特殊効果監修ニール・コーボールド、視覚効果監修チャーリー・ヘンリー。
出演
マイケル・ファスベンダーデヴィッド/ウォルター、キャサリン・ウォーターストンダニエルズ、ビリー・クラダップオラム、ダニー・マクブライドテネシー、デミアン・ビチルロープ、カルメン・イジョゴカリン、ジャシー・スモレットリックス、キャリー・ヘルナンデスアップワース、エイミー・サイメッツファリス、ナサニエル・ディーンハレット、アレクサンダー・イングランドアンカー、ベンジャミン・リグビーレドワード、ウリ・ラトゥケフコール、テス・ハウブリックローゼンタール、ジェームズ・フランコブランソン、ガイ・ピアースピーター・ウェイランド、ノオミ・ラパスエリザベス・ショウ。
リドリー・スコットはもしかすると
身内の誰かをアンドロイドに殺されたのか?と思わず考えてしまうほどに悪役に持っていく。しかも一作目から全くぶれない。
ゆえに、オチが最初から分かってしまうという問題が付きまとう。
新たな星への入植者を乗せた宇宙船。アンドロイドのウォルターが航行を管理し、残りの乗組員と入植者は冷凍睡眠中。ところが突然の事故で故障し、冷凍睡眠中の乗組員が急遽起こされることとなる。
その事故によって船長が冷凍睡眠の装置の故障で死亡し、オラムが代わりに船長となる。
宇宙船はなんとか修理でき、そのまま航行を始めると入植予定の星の遥か手前に人間が住むことができそうな星を発見。行き先を変えてこちらの星を探査し、問題なければこちらに入植する、とオラムは方針を固めるが、元船長の妻にして副船長のダニエルズはその方針に反対する。その反対を押し切って星の調査に向かった乗組員クルーが降り立った星は、かつてエンジニアと呼ばれる宇宙生命体の住んでいた星だった。
この辺りでプロメテウスとの話のリンクが濃くなり、どーやったかなと思い出しつつの鑑賞だったので、プロメテウスを事前にガッツリ見ないとちょっと苦しいところもあった。
そこからは例のエイリアンの形のだいぶ近いヤツが生まれて大暴れ、その成長速度はめちゃんこ早くて一晩でもう成体になってしまう。しかし、黒光りエイリアンに対してコイツらは白いのでキモい。パンズラビリンスに出てくる手が目さんに近い造形。
で、黒い粉を吸引させて寄生し生まれてくる白エイリアンくんを、プロメテウスでも散々やらかしてくれたアンドロイドのデイビッドがあれこれ改良し、はいエイリアンの出来上がり、となって、エイリアンのパートワンに繋がりますという流れ。
あのエイリアンを創り出したのは人間が創り出したアンドロイド、人類は自らの産み出したアンドロイドによって間接的に滅ぼされるというテクノロジーへのアンチテーゼなのかな。ちょっと色々と難しくなり過ぎてしまった割に、胞子で寄生した方がよっぽど効率的に個体を増やせるのになんで卵にこだわったの?とか、何を以て黒エイリアンくん(ゼノモーフという名前があるらしい)を完全な生命体と言っているのか、ウォルターくんが考えていることがイマイチ分からなかった。
まあ生命をいろいろ実験改良することは、生命の尊厳を蹂躙することですよーと言いたいのかも。
まあ、リドリーおじさんのライフワークだと思うので、懲りずにまた色々考えてくるかもしれない。
絶望の、産声。
原題
Alien: Covenant
感想
プロメテウスの続編でエイリアン前日譚シリーズ2作目
巨匠リドリー•スコットが解き明かすエイリアン誕生の想像を絶する真実!
プロメテウスよりは面白かったと思います。
エイリアンが残酷に人間を殺す、人間vsエイリアンのハラハラドキドキが自分には合ってるのかなと思います。
作業船やコヴェナント号のアクションなど。
フェイスハガーも見れたのも良かったです。
マイケル•ファスベンダー2人はちょっと笑ってしまいました、デヴィッド髪伸びてるし笑
ウォルターの機能停止も笑いました笑
それにしてもデヴィッドはエグいです。
前作のショウ博士も変わり果てた姿に…
オチは予想できましたが絶望感ヤバいですね…
※そこは人類にとって楽園となるはずだった
「宇宙でジョーズ」というコンセプトそのものをリブートするべきかもしれない。
基本的な構造は前作「プロメテウス」(2012年)と同じ。
・宇宙船がとある星に探査にいく(ミッション)
・エイリアンと遭遇して襲われる(戦い)
・生き残った乗組員がその星を立ち去る(英雄の帰還)
といった、典型的な「行きて帰りし物語」の構造になっている。
ほとんどの物語はこの構造を用いているのだが、「プロメテウス」と本作は探査船の乗組員が未知の星に探査にいってエイリアンに襲われる、というプロットになっているので、「前作と同じだ」という印象が強い。
ある意味いたしかたないのかもしれない。
登場人物のつながりももちろんあるのだが、むしろ創造主は誰か、というテーマがつながっている。「プロメテウス」では、人間を作ったのは誰か、という話で、今回はエイリアンを作ったのは誰か、を問う。
何かを作るということは、創造主の知性や人間性といったものが大きく反映されるものなのだな、というのは気づきだった。
とにかく、テーマも前作のバリエーションなので、映画そのものが似てきてしまう。
当初は三部作になるという話だったが、本作がコケたので続編はクランクイン直前で中止になったとのことだ。ちなみに製作費は139億円で、興行収入は345億円。赤字ではないようだが、ダメなのだろうか。
収支のことはよくわからないが、それをおいておいても、エイリアンというシリーズは長く続ける映画ではないと思う。
もともとのコンセプト(宇宙空間で「ジョーズ」をやろう。しかも密室で襲われる「ジョーズ」だ)は素晴らしいし、インパクトもあっただろう。ただ、それを手を変え品を変えしながら何本も作る必要があるかといえば、そうではないだろう。最初のシリーズで4本作った。それでも多いくらいだ。
リドリー・スコットはなぜ「エイリアン」の前日譚を語る必要があると考えたのだろう。デヴィッド・リンチではないが、「謎は謎のままが美しい」と、そのままにしておけばよかったのに。
エイリアンの起源について語るのであれば、ホラー映画ではなく、もっと哲学的な物語にすれば、批評家には評価されたかもしれない。
とはいえ、ファンは、エイリアンの巣に踏み込んでいった連中が、いかにも危険な卵に顔を近づけたり、イチャイチャしているカップルが突然襲われるのを楽しみにしているのだから、哲学的にエイリアンの起源を考察したりしたら、興行収入はひどいことになっただろうが。
「プロメテウス」では、科学者たちが惑星を探査に行って襲われた。科学者というわりには随分と頭の悪そうな行動が目立って、案の定ひどいことになったのだが、今回は普通の宇宙船のクルーが探査に向かう。「オリガエ6」という惑星を目指していたのに、なぜか謎の惑星に探査に向かう。目的地を変える理由に説得力がない。こういうところを見ていると、よほど斬新なアイデアがないかぎり、「エイリアン」シリーズはもう無理があるのではないかと思う。
エイリアンよりも恐ろしいアンドロイドって、テーマが違くね?
この映画の粗、つっこみどころについては先輩レビュアーの皆さまがあれやこれや指摘されていて、いちいち「その通り!」と感心させられる。
映画自体は前作「プロメテウス」の消化不良気味のラストを含めていろいろなアンサーを提示してくれて楽しめる部分は多いと思う。エイリアン・シリーズのファンとして見て良かったと思える作品である。
だがしかし。本来の主役であるモンスター、エイリアンを、人類が造ったアンドロイドが進化・改良させて人類の脅威となる殺人兵器としてブラッシュアップ。挙句の果てに、宇宙船の乗組員をだまくらかしてその胚芽を地球(もしくは地球からの移民先の新たな惑星)へ持ち込もうと目論む。その目的は明示されないものの、これまで示されてきたエイリアンのスペックを鑑みれば人類の皆殺しさえ予測可能である。
たしかにエイリアン第1作目からして宇宙船に同乗したアンドロイドが身近な人間に仇をなす性質の禍々しい知能を持つという設定ではあったが、本作のデヴィッドはもはや「サイコパス」ともいうべき異常性格に達している。同様なアンドロイドが地球上に複数存在すれば、外部からエイリアンを持ち込まずとも「ターミネーター」で描かれたような機械=アンドロイドが人類を殺戮し権力を握ることは不可能ではないと想像できる。
そうであれば、この映画はエイリアンというモンスターがもはや不要となる方向へ一歩踏み出したと言わざるを得ない。しかし、機械の反乱というテーマは「2001年宇宙の旅」以来手垢にまみれたテーマであり、新鮮味は感じられない。
本作はひょっとすると続編として「地球に持ち込まれたエイリアンと人類の闘い」を想定した前日譚を意図していたのかもしれないが、私としては映画の主題があらぬ方向へ脱線して幕が下りたとの印象が拭えず、残念極まりない。
『エイリアン』のコンセプト的に弱い
個人的には悪くないかな、と思えたシーンがある本作
『プロメテウス』に比べれば『エイリアン』に寄せているが
前作も感じていたコンセプトのブレがあり、そこが残念
今回はエイリアンのタイトルを背負っているのでなおさらだ
エイリアン、入植者船、謎の信号
---もう展開は読めましたね?
と言わんばかりで、実際予想通りの展開
冒頭~30分くらいまでは宇宙冒険映画としての様相
そこからのモンスターパニック+若干のミステリー要素なので
ジャンルとしても若干ブレを感じる
よほど脳みそ空っぽにしていない限り、登場した隔離室の存在で
未知の感染症の危険性を考えているのに、何故か対策しないで壊滅的打撃という頭の悪すぎる展開に感じてしまって白けるのは避けられない
また通信が通じないからといって母船を近づけるのも、通信をリレーする無人機等を飛ばすなどのアイディアはなかったのか?(映画あるあるの"大事なときにつながらない電話"にケチをつけるのは悩ましいが)
あのシーンの意味合いが、入植者を危機にさらしても仲間を助けたい、「仲間思いの船員」を印象付ける程度でトラブルの発生による展開が無く、SF的面白さにかけてしまった
問題もあるが、いいシーンはある
・冒頭の宇宙船~着陸、探索シーンは良い
・"エンジニア"(異星人)の大量殺戮シーン
・デヴィッドのおぞましい創造行為
・エイリアン誕生からの大暴れ
・ラストシーンの最悪の異物混入、冷凍休眠室への入場
全体的にビジュアルが良好で、難解さがないわかりやすい展開、演出なので見やすい
個人的には『エイリアン』は閉鎖空間での殺意の高いGとの格闘というのが面白いと思っているので、そのコンセプトに立ち返ってほしかったが、多くのシーンで露天やカメラにバッチリ映ってしまっている状態で戦っているのでエイリアンへの恐怖よりデヴィッドの恐怖のほうが強くなってしまったのが残念
映画として、それなり以上のクオリティだが
ストーリーに意外性がないのと、エイリアンとしての満足度は低い
やはり『エイリアン』、『エイリアン2』は超えられないか・・・
細かいところがだめ。
プロメテウスよりはエイリアンぽくなってきた。
しかし前回同様みんなバカかな?わけわかんない星にクルーたちだけで勝手に変更して宇宙服とか着ないで普通に降り立つって…化け物がいるところでひとりで行動したり緊張感なさすぎる。
細かな脚本がなってないのが評価をみると更に思う。全体的なストーリーとしては嫌いじゃない。
でも結局デイビッドはどうやってすり変わったの?
頭だけ固いの?
物語は前作よりも自然で楽しく、ラストも余韻を感じさせるものでした。ただ惑星間を移動できるほどの技術を持った人類にしては火器がまったく進化していないとか、ホラーものに必要な展開とはいえ謎を確認するために見ず知らずの惑星に降りて自ら歩いていったり、10年前にあった自動探査機はなくなってしまったのかとか、そもそも人造人間の動力源は? 髪も伸びるの? 老けるの? とか、エイリアンもエイリアンで頭突きで強化ガラスを破れるのに先が鋭くない重機のアタッチメントが体を突き破られてしまうのはどうなんだろうとか、どうでもいいことを思いました。そのほか、終盤のサービスシャワーシーンにここでくるか? と感じたほか、主人公の浮き乳首もサービスなのかなあ。
人工知能の暴走
前作プロメテウスで「人類の起源は…」と大風呂敷を広げて、スペースジョッキーの一シーンを使って、初代ファンを期待で煽りに煽ったは良いものの、後半は単なる肉弾プロレスで終わってしまい、「エンジニアとは創造主とは人類とは…」という大事な部分が適当にフェードアウトして行き「おいおい、リドリー・スコット監督どうしちゃったの…人類の起源中心のお話しだとつまらんから、プロレス入れて派手にしてくれ、とでも20世紀FOXから指示されたの…?」と不安になったぐらいです。
映像のすばらしさ以外では個人的に大いにがっかりした前作ですが、それに比べるとこちらは初代エイリアンに続く前日譚としての、SFホラーテイストが強く個人的には前作よりは楽しめました。デヴィッドの知能が高すぎた故に、だんだん狂気に憑りつかれていく感じが素晴らしかった。
そしてやっぱりね、エイリアンエッグから飛び出したフェイスハガーにしがみつかれるところから始まり、最後はビッグチャップとなり、俊敏な動きと強酸性の血で襲い掛かる。これですよ、これ。でもまさかあのエイリアンがある種、地球製の生物兵器だったとは、って感じでした。どこかよくわからない星で生まれた原生生物という宇宙的なミステリアスさが少しなくなったなあと。
あと、ウォルターと兄デヴィッド。彼ら二人のアンドロイドを見ていると、スタートレックTNGのデータ少佐と兄ローアを思い出します。ローアはあそこまで狂気に憑りつかれてはいませんでしたが。後日譚となる初代エイリアンから登場するビショップのAIは、彼らのどちらから派生するのでしょうね?
プロメテウス号の行方・・・
前作の生存者のエリザベスが死んでしまっていて残念でした、さらに不気味に怖い作りになっていましたね。 粉末といいますか、あれを吸い込むと何で体からエイリアンが出てくるのかは突っ込んじゃいけないのかもしれませんが、よくわかりませんでした。 次回作も製作が確定はしていませんが観たいです! このあとどうやって『エイリアン』に繋げるんだろう・・・別にリプリー達が乗っていたスラコ号?が出てくるとは限りませんが、「あ~それでこう繋がるのね!」っていう流れを観たいです(笑)
こんなもんかな...
エイリアンファンとしては待望作なのだが、物足りない感があるなぁ~。1,2に比べたら(比べること自体が、間違いかもしれないが)怖さの程度が少ないからかな?
それに、オリジナルの「エイリアン」より前の話としては、矛盾もいくつかある。
「宇宙に行く際は、アンドロイドがついていくことが常識」が出来上がっているのであれば、1で医師がアンドロドであったことにリプリー達が驚いたりすることもないはずだし、2でアンドロイドを乗せることに反対することはできないはず。
その他にも細かい矛盾や不満はあるが。ま、これでエイリアンシリーズが本当に最後であるとしたら、エイリアン4で終わるよりは、よかったの「かも」知れない。
完成度の高いガッカリした作品
「エイリアン2」で生き残った少女が、「エイリアン3」で死んでしまったことが分かりがっかりしたが、今回も前作「プロメテウス」で生き残ったショウ博士が、結局、死んでしまったことが分かり、再びがっかりした。彼女は、創造主の惑星へ飛び立って行ったはずですごく続編に期待していたので、その反動でこの結果には大いに失望した。もう少し映画ファンのことを考えて続編を作って欲しい。
また、前作では人間を助けたアンドロイドのデイビッドがこの映画では悪者になってしまう展開も、映画ファンへの裏切りに近い。ただ、前作で、彼がエイリアンの卵のようなものを飲み物に入れるシーンがあったが、もしかしたらこの映画の伏線だったのか?
前作では、主人公が大バトルののち結局生き延びて、ほっとしたものだったが、今回は非常に後味の悪いエンディングだ。
もちろん、並の監督じゃないので、パニック映画、ホラー映画のツボをよく心得ているのも事実。エイリアンに感染した2人が、1人は宇宙船の中に隔離されたが結局火災で宇宙船と共に燃えてしまう、と同時にもう1人の感染者も体内からエイリアンが出てきて壮絶なバトルとなるが、この同時進行で起こるパニックの演出は見事である。1作目の「ミッションインポッシブル」の冒頭のシーンをなぜか思い出した。
全体を通しても、さすがリドリースコットと思わせる素晴らしい造形美(未知の惑星、宇宙船、未来の武器や色々な装置等)や最後の宇宙船にしがみついているエイリアンとの死闘等を堪能できたのに、肝心のストーリーが、アンドロイドの暴走というのが主題になってしまい、いままでのシリーズとズレが生じて非常に違和感を持った。
また突っ込みどころも多い。未知の惑星に降りるにしてはクルーが無防備すぎる。前作でデイビッドは短髪だったのに長髪になっている、なんでアンドロイドなのに髪の毛が伸びるんだ。周りにエイリアンがいるかもしれないのに、隊員の女性がたった一人で顔を洗いに出かけたり等。
いずれにしても最後の展開は納得できない。冒頭、アンドロイドとアンドロイドを作った「父」との対話で、アンドロイドが、では「父」はだれが作ったのですか?と質問する。アンドロイドが新しい惑星の創造主になるということを暗示したのか?最初と最後に流れるワーグナーの「ヴァルハラ城への神々の入城」は何かを象徴しているのか?
変な言い方をすれば、非常に完成度の高い「ガッカリした」作品であった。
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自宅にて鑑賞。前作『プロメテウス('12)』より十年後となる2104年12月5日(『エイリアン('79)』は本作の18年後、2122年とされている)から始まる。前作同様、荘厳なロケーションと重厚なBGMは健在だが、ストーリーはより判り易くシンプルになっており、テンポも速い。このシリーズはアンドロイドが物語のスパイスとなっているが、本作ではより重要な役所を担っている。全体に消化不良で破綻気味だった前作の不満を解消するが如くの作りで、シリーズお馴染みのシーンやクリーチャー達もしっかり登場する。65/100点。
・本作で初めて登場する胞子状で動物に寄生するのと較べ、クイーンが産卵→卵→フェイスハガー→チェストバスター→ゼノモーフと変態を繰り返す方が遥かに非効率的であり、胞子からの改悪(もしくは改良失敗)についての意図した物や説明が一切省かれている。
・序盤に登場するクリーチャーは“ネオモーフ(Neomorph)”と呼ばれており、生白い不気味な外観は『サイレントヒル』シリーズ('06・'12)に出たクリーチャーを彷彿させるが、実際はミツクリザメ(ゴブリン・シャーク)からインスパイアされたと云う。亦、本作のゼノモーフの亜種は一部のファンの間で“プロトモーフ(Protomorph)”と呼ばれており、これはこれ迄のシリーズで展開されてきたゼノモーフの前駆体と云う意味に由来する。
・本作のスタートとして設定されている12月5日はW.ディズニーの誕生日であり、本名であるウォルター・イライアス・ディズニーのファーストネーム“ウォルター”はM.ファスベンダー演じるアンドロイドの命名の由来の一つにもなっている。
尚、シリーズに登場するアンドロイドのネーミングは、『エイリアン('79)』の“アッシュ(Ash)”、『エイリアン2('86)』・『エイリアン3('92)』の“ビショップ(Bishop)”、『エイリアン4('97)』の“コール(Call)”、『プロメテウス('12)』の“デヴィッド(David)”と意図してアルファベット順に配されており、本作の場合、本来は“E”で始まる筈なのだが、“デヴィッド”の合わせ鏡として先頭から四番目の“D”を末尾から逆順の四番目である“W”の頭文字を当てた。
亦、二体のアンドロイドには、嘗てからシリーズに(共同)製作、原案、脚本等で深く関ってきたデヴィッド・ガイラーとウォルター・ヒルのそれぞれのファーストネームも由来の一つになったと云われている。
・二体のアンドロイドの遣り取りには、BL的なニュアンスや所作が垣間見られるが、一方的に抹消しようとした際、口づけするのは同監督の『ブレードランナー('82)』でR.ハウアーの“ロイ・バティー”が、J.ターケルの“エルドン・タイレル”を殺す際、キスするシーンからの引用である。
・スタッフロールの初めに監督のアシスタントを長年務め、監督の製作会社“スコット・フリー”のマネージングディレクターでもあったJ.ペイン('16年6月15日に64歳で鬼籍入り)に献辞(In memory of Julie Payne)が捧げられている。
・そもそも本作は前作『プロメテウス('12)』で未解決だった謎や伏線を回収する為の物語として企画しており、ワーキングタイトルは『Alien: Paradise Lost』としていた。脚本家としてD.リンデロフが雇われたが、シリーズと懸け離れたプロットに加え、単作では解消・回収しきれないとされたので、意図的に未解決な謎を残すシナリオとなってしまった。D.リンデロフは他の契約を理由に降板し、J.パグレンがシリーズ寄りに新たな脚本を書いたが、降板。後をM.グリーンが引き継ぎ、更にリライトを重ね完成に漕ぎ着けた。
二転三転するシナリオに翻弄されかの如く、当初は前作のN,ラパスが“エリザベス・ショウ”役で続投すると発表されたが、実際にはクレジット無しの声と写真のみの出演に留まり、新たなヒロイン“ジャネット・ダニエルズ”もR.ファーガソンに決まっていたが、K.ウォーターストンに変更となった。同様に当初は、序盤で直ぐに殺されるチョイ役だった“テネシー・ファリス”のD.マクブライドも出番と役所が大幅に変わってしまった。
・企画・製作段階のゴタゴタとは裏腹に撮影は74日間で終了し、予算は1億1,100万ドルと予定通りに収まり、プリプロダクションもスムーズに進行したとは、監督の弁。
・前作『プロメテウス('12)』の成功を受け、シリーズの前日譚三部作の二作目に当たる本作だが、監督によると三部作の完結篇として最低でもあと一作は作るとしており、場合によっては、三部作の他にも数作続けるかもしれないと発言している。
・鑑賞日:2017年9月17日(日)
本当の恐怖がついに覚醒!
エイリアン・シリーズ第6作(前日譚シリーズ第2作)。
レンタルDVDで鑑賞(吹替)。
前作は繋がりを敢えてぼかすような印象を受けましたが、本作はタイトルにもずばりエイリアンの名が入って、本格的な前日譚と言える作品になっていました。主人公の女性もどこかしらリプリーを彷彿とさせる雰囲気がありました。
前作のラストでちらっと登場したクリーチャーは、似たところはあるもののまだまだ私たちの知るエイリアンとは違う形態でしたが、本作でついにそのものな生物が誕生。本当の恐怖が始まっていきました。誕生の所以に衝撃を受けました。
エイリアン・エッグ、フェイスハガー、チェストバスターと馴染みのあるものたちが登場して、無条件にたぎりました。その獰猛さと不気味さは相変わらず。次々に血祭りに上げられていく人間たち。原点回帰な恐怖描写が堪らなかったです。
生命の起源に迫り、人間の存在そのものを問うテーマに胸がゾクゾクしました。独特の映像ビジュアルも去ることながら、深い問い掛けに満ちた内容に圧倒されっぱなし。
リドリー・スコット監督はやっぱりすごいなぁ、と…。押えるべきところをきちんと押さえて、尚且つさらなる高みへと押し上げていく手腕が素晴らしい限りだと思いました。
1作目には接続していないので続編に期待ですが、ニール・ブロムカンプ監督の新作次第でどう展開するか変わるそうなので動向を注視したい。前日譚シリーズが完成したら、エイリアン・シリーズは生命とは何かと云うテーマを孕んだ壮大なSF叙事詩の様相を呈しそうであり、想像しただけでワクワク!
※修正(2023/08/27)
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