「人工知能の暴走」エイリアン コヴェナント dee909さんの映画レビュー(感想・評価)
人工知能の暴走
前作プロメテウスで「人類の起源は…」と大風呂敷を広げて、スペースジョッキーの一シーンを使って、初代ファンを期待で煽りに煽ったは良いものの、後半は単なる肉弾プロレスで終わってしまい、「エンジニアとは創造主とは人類とは…」という大事な部分が適当にフェードアウトして行き「おいおい、リドリー・スコット監督どうしちゃったの…人類の起源中心のお話しだとつまらんから、プロレス入れて派手にしてくれ、とでも20世紀FOXから指示されたの…?」と不安になったぐらいです。
映像のすばらしさ以外では個人的に大いにがっかりした前作ですが、それに比べるとこちらは初代エイリアンに続く前日譚としての、SFホラーテイストが強く個人的には前作よりは楽しめました。デヴィッドの知能が高すぎた故に、だんだん狂気に憑りつかれていく感じが素晴らしかった。
そしてやっぱりね、エイリアンエッグから飛び出したフェイスハガーにしがみつかれるところから始まり、最後はビッグチャップとなり、俊敏な動きと強酸性の血で襲い掛かる。これですよ、これ。でもまさかあのエイリアンがある種、地球製の生物兵器だったとは、って感じでした。どこかよくわからない星で生まれた原生生物という宇宙的なミステリアスさが少しなくなったなあと。
あと、ウォルターと兄デヴィッド。彼ら二人のアンドロイドを見ていると、スタートレックTNGのデータ少佐と兄ローアを思い出します。ローアはあそこまで狂気に憑りつかれてはいませんでしたが。後日譚となる初代エイリアンから登場するビショップのAIは、彼らのどちらから派生するのでしょうね?