「TOHOシネマズ府中にて観賞」エイリアン コヴェナント shallowwhiteさんの映画レビュー(感想・評価)
TOHOシネマズ府中にて観賞
中盤、アンドロイドのデイヴィッドが「ほう…入植者2000人、素晴らしい」(ニヤリ)と呟いた時点で、劇中の主人公達チームのミッションが「入植者へのエイリアン寄生を死守すること」と提示される。
そして、主人公達の目標は達成されないことも直ぐに読めてくる。
何故なら、これは続編ありきの作品だから。デイヴィッドの成果が負けるようでは、本作と前作が無意味になるから。
もう一つの先が読める理由は、主人公チームが全員あまりにも迂闊な方々で、彼らがデイヴィッドの知謀に敵うはずがない。
クルー全員がこっちの予想の斜め下を行く行動と決断を見せてくれるのは、今時の映画ではお目に掛かれない。
一、宇宙服を着用せずに初めての星を探索。案の定、何か吸い込む。
二、感染したらしきクルーをいとも容易く船内へ。案の定、艦を失う。
三、慌てて血で滑る!驚いたことに別のクルーも滑る!ドリフか。
四、艦内で慌てて乱射発砲して大爆発。こんなマヌケなシーン、全くの想定外。
五、2000人の顧客より私情を露骨に優先する操縦士。チームにカップルが多いのは入植後を想定しているんでしょうが、弊害大ですね。
五、「遠くに行くなよ」と言われた女軍人。案の定、遠くに行って襲われる。
六、「卵をよく見て下さい。いいですよ~」と言われて覗き込む艦長。案の定、フェイスハガーに飛びつかれる。
拾い物エイリアン映画の快作『ライフ』のクルーの一人でも居れば、完全な隔離を達成し、デイヴィッドの陰謀は潰えていただろう。というか、『ライフ』の女船長ならあの星に寄りもしなかったはずだ。
主役すら魅力皆無な人物造形は正直酷いレベル。
宇宙グランギニョールとしても『プロメテウス』のダウンスケール版。リドリー・スコット、老いたか?
撮影や美術は流石に見応えがあった。