「神をも恐れぬリドリー・スコット!」エイリアン コヴェナント pippo9さんの映画レビュー(感想・評価)
神をも恐れぬリドリー・スコット!
「エイリアン映画」というよりは「リドリー・スコット映画」として鑑賞した方が楽しめるシリーズです。
リドリー・スコットはこれまでの作品で「残酷な現実」を描いてきた監督です。なので「残酷な現実」を覆い隠す「宗教」、特に「キリスト教」に対してかなり嫌悪感を抱いており、
「プロメテウス」では主人公が身につけている十字架をデヴィッドが外したり、
「オデッセイ」では同僚のクルーが残した木製の十字架を燃やして火を起こしたりなど、
これまでの作品でキリスト教に対して様々な嫌がらせを行ってきました。
その思想は今作にも反映されています。
映画の冒頭、「コヴェナント」号は船長「ジェイコブ」の事故死によって「クリス」が代理船長になります。
「コヴェナント」は「約束」であり、ここでは「人類と神様との約束」の意味、
「ジェイコブ」はヘブライ語が由来であり、ここでは「ユダヤ教」を意味します。ジェイコブをノンクレジットで演じているのはジェームズ・フランコという有名な俳優で、彼はユダヤ人です。
「クリス」はそのまま「キリスト教」の意味です。
映画の冒頭のシーンは要するに、
「人類と神様との約束」は「ユダヤ教」から「キリスト教」に託された。
と読むことが出来ます。
ただ、そこでこの「クリス」代理船長がヘッポコ過ぎたために人類の未来が危機に晒されることにるという展開は、今作におけるリドリー・スコットなりのキリスト教への嫌がらせだと思いました。
その他にも、リドリー・スコットの思想的な部分がこれでもかとばかりに凝縮されている感じが、リドスコファンの私からしたら堪らなかったです!最高でした!
その他の部分の私なりの解釈はwebサイトに書いてあるので、もし興味があったらそっちも読んで下さいー