「烏合の衆のパイロットたちが面白い」エイリアン コヴェナント chesscommandsさんの映画レビュー(感想・評価)
烏合の衆のパイロットたちが面白い
私は正社員より派遣社員の期間が長い。
所属する会社にも寄るが、基本は派遣先の指示に従う。
所属会社に出勤するのではなく、派遣先に出勤し、そこで上位会社から指示を受けるため、具体的な指示までルールにできないのは仕方ないこと。
そのため、上位会社の指示が絶対になる。逆に、指示に従っていれば問題にはならない(常識のある派遣先に限るが^^)。
今回の映画内容は、そんな私の境遇と似ており、泣けるし、笑える。全体的に、かなりお粗末なできだった。
地球以外の惑星での呼吸にためらいがないのか、防護服を着ずに降り立つ。
しかも、小麦に似た何かを自己判断で小麦と勝手に判断して口に含む(食べたのか?)。
どのような生物がいるかわからないのに、タバコ休憩を勝手に1人でとる。そして、火を消さずにポイ捨てをする。
そもそも何年もかけて調査した惑星を放り出して、目の前に唐突に現れた惑星に勝手に降り立つ。
本来の惑星に数千人を移住するための乗客を運んでいるのに、軽率な行動だ。
そして、その数千人より、パイロットたちの命を優先させようとする。
宇宙飛行士として、パイロットとして、何の訓練も受けず、責任も考えず、無鉄砲に自由気ままな行動を取る。
今の日本の会社運用と同じで驚いた。
日本社会を皮肉った映画だと思ったぞ。
例えば、正社員への教育はしっかり行い、福利厚生も行き届き、社員一人一人への配慮を欠かさない会社があったとしよう。
実際に仕事をこなすのは、そこの会社に派遣された派遣社員が行う。そのため、福利厚生はなく、劣悪な労働環境で、終電帰りや徹夜なんかも当たり前の状況だろうことがわかる。
しかし、上層部はそこまで把握できていない。
今回の映画内容と同じじゃないのか!?
2100年以上未来の出来事。もっと先だろう。
そして、宇宙船を動かし、アンドロイド人形まで管理する世界。
それなのに、人間は烏合の衆で、何も訓練されておらず、少しのことでパニックになり、逃げ惑うか、殺される。
数千人の命を預かっていることを忘れ、目先の仲間を助けようとする。
そもそも、ちょっとしたことが原因で、休眠ポットから目覚めたことと目先に地球に似た惑星を見つけたことで、そこに降り立つ。
本来の惑星は、7年以上休眠ポットで眠りにつく必要のある遠距離にあるので、再び眠るのは億劫なのだろう、目の間の惑星に降り立つ方を選ぶ。
しかも、船長の決断は、何の根拠もないのに、確信を得たから大丈夫だと言い切る始末。
それこそ、今の日本の労働環境のまんま。
バイトの店長が決断したことをバイトの人間に指示を出し、なぜか送金などもやらせたり、閉店などの鍵の管理までやらせる。
すべてがバイトの雇用者の集まりなのに、すべての権限を持って店を運用しているのと同じだろう。
ゆえに、何の教育も受けていない派遣社員のパイロットたちは、全くの異郷である惑星に、何の防具服もつけずに降り立った。
防具服を身に付けなかったのではなく、身に付ける発想が出てこなかったと思われる。防護服が何をするのか教育を受けていなければ、空気があれば防護服なんて不要だろうと判断するのは目に見えている。煩わしいだけだからね。
責任感は元より、基本的な知識を兼ね備えた、教育された正社員がいたら本来の惑星まで移動しただろうに、、、
知識のない人間が指揮官では、ロクなことが起きない。
日本人であれば、小さいときから勉強を催促されているだろうから、今回の映画のようなことにはならないはず^^
知識のない人間こそエイリアンと言える。
*当然、派遣や正社員は比喩であり、私の勝手な解釈です。
最後のオチは、新しい惑星で暮らす人間の管理をアンドロイド人形がこなすことになった。
しかし問題ない。
人間ではないのでワンオペ作業になってもこなせる。