「前日談としては遠い。次に期待」エイリアン コヴェナント afroitoさんの映画レビュー(感想・評価)
前日談としては遠い。次に期待
今日公開初日で拝見しました。
ネタバレもあるので、ご注意下さい。
プロメテウスの10年後。移住計画を使命として宇宙を進むコヴェナント号。宇宙風に煽られて損害を受け、修理中に謎の信号を受信。送信された星に進路を変更し、ある太陽系にある第四惑星に向かうとそこは…
★リドリースコットの頭の中はエイリアンから人類創造の謎にシフト。
エイリアンシリーズ。それは、端的に言えば「得体の知れない謎の生命体に人類が脅かされる」というシンプルなものだった。もう一つの主題があるならば、「女性の強さ(母の強さ)」みたいなものだった。
プロメテウス、コヴェナントに関しては、「エイリアンを作った設計者(エンジニア)は、人間も作っていたらしい」「設計者に会いに行く旅」「人間とは何か」となってしまった。
だから、この二作を見た時に、エイリアンはあくまで添え物。リプリー的な女性も、あくまでエイリアンシリーズという骨組みを残すための部品となってしまった。
変わってフィーチャーされたのが、「人が設計者となって作られた人(アンドロイド)」のデヴィッドとウォルター。
プロメテウスとコヴェナントを繋ぐのも、この2人のアンドロイド。
彼らが、設計者に対して疑問を抱き、そしてデヴィッドは次の設計者(神)になろうとする。
コヴェナントはそんな話でした。
なんか、壮大な実験映画のように、「神と人類」みたいな沢山の伏線が散りばめられた作品になりました。
エイリアンという作品はどこへ向かうのでしょう。
作品のストーリー的には、早めに
「あ、プロメテウスで飛び立った星に行くんや」
と気づいてしまうし、ラスト付近で、「あ、デヴィッドとウォルター入れ替わるんちゃうん!」
と、先読みが安易にできてしまい、どんでん返しもなく、次回作を匂わせて終了する。
だが、面白くない訳じゃない。エイリアンシリーズとして見てしまったら、エイリアンシリーズではない。
よく言われている、エイリアン一作目に繋がる前日談でもない(西暦的に前なだけ)
プロメテウスシリーズとして見た時にはちゃんと成立するし、アンドロイドの旅として見たら、ブレードランナーやAIみたいな旅物語だし。
なんか、同じ主題で思い出すのは、「スターゲイト」ですかね。
プロメテウスを見てるのが大前提映画でしたが、一見の価値あり。
afroito