劇場公開日 2016年2月12日

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「パルムドールにしては娯楽性含めて見易い」ディーパンの闘い 作品に向き合うゆき平さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0パルムドールにしては娯楽性含めて見易い

2016年2月13日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

難しい

幸せ

これは今までカンヌに苦手意識がある人でも見られるかなと思う。

娯楽性が意外に高く、淡々としながらも力強さで引っ張っていく。

少なくとも後半から目が覚める人は多いんでないかと思う。

ただ自分が見た中でのパルムドール作品としては印象は薄いかな。

前半だけちょっと眠くなったのは否めないし、ドラマ性も薄くはなく深いんだけどもうちょっとほしかった所。

クライマックスの派手さも賛否別れると思う。

しかし、パルムドールとしてちょっと納得な作品でもある。

今を描いているし、移民の現実を描いている。

ちょっと調べてみると劇中での話は映画だけの話ではなく、実際に移民が住む場所があり、そこでは貧困が原因で治安が悪い場所があるという。

だから、暴力のない場所に逃げても平和に普通に暮らせてはいない移民の姿が今作には描かれている。

カンヌでラストに賛否両論があった訳だが、事実を知ると今作は移民が平和で普通に暮らせることを願う作品だと思うと納得だし、そこには愛がある。

だから、パルムドールはちょっと納得の受賞。

作品の出来云々はともかく、そういう位置づけとしては大変意義のある作品だと思う。

不満はあれど見応えのある作品で光の使い方がとても綺麗で劇場向きだし、移民について少しでも知る良いきっかけになるのでぜひとも劇場でご鑑賞ください。

作品に向き合うゆき平