「女性陣が光ってる」SCOOP! movie mammaさんの映画レビュー(感想・評価)
女性陣が光ってる
脚本的には、ゲットしたネタが政治資金絡みのもっと社会を揺るがす汚職とかまで繋がっていたりするともっと面白いと思うが、これは社会派作品ではなくあくまで軽い気持ちの娯楽の一環で楽しめる作品。
その割に、ラストがリリーフランキーがビジュアルからして超衝撃なイカれっぷりなのだが、吉田羊扮する定子が超サッパリしていてかなりかっこいい。
昔内縁の妻みたいな事していて今も未練ありありなのに、あんな大人な態度を取れる器の大きさ情の深さ。
二階堂ふみ扮する行川野火は超現代っ子な新人社員だがお陰で芸能人にはすぐ気付くし、一般市民=購読者の視線を持っていて芸能スクープには持ってこい。
栄光は昔の話ですっかりやさぐれた中年パパラッチに成り下がった福山雅治演じる都城静は、1人で黙々とスクープを狙う職種柄もあるのか、くさくさして向上心を失い、安い女の子で解消する日々だったが、若い野火と組むうちに、再び大ネタを撮りたくなってくる。
それでも、新人がホームランを打つ方が盛り上がるだろ、と野火に花を持たせる静と一緒に、スクープを求め有名人が無防備な瞬間を追いかけ回すうち、下ネタばかりの、サイテー中年オヤジだと思っていたのに、徐々に戦友、同士、コンビ、それ以上の気持ちまで持ち始める野火。
野火を演じる二階堂ふみは、冷めた二面性のある役もできる女優さんだが、今回は若い女の子が仕事に目覚め成長していく姿勢と、恋心が芽生えていく表情の変化を素晴らしく演じていて、とっても可愛い。下着ありとはいえ福山雅治の顔が内腿に来ていたりかなり大胆シーンもあるが、上気した表情で演じきる二階堂ふみ、大物。貞子と静の関係性も知っててしれっと吉田羊も出入りする家で静と一夜を共にするあたり、やっぱり二階堂ふみのイメージとはばっちり合ってるかも。
やっと過去の仲間達の支えも取り戻し仕事への向き合い方が変わってきた都なのに、リリーフランキーとの腐れ縁を切れなかったがために死亡、撃たれる瞬間を二階堂ふみに撮らせて記事にさせる、カメラマン、恋人冥利に尽きる最期。
例え下ネタとおねえちゃんの話ばかりでも、花形を望む性格でなくても、過去になにかやらかしていても、仕事は求められたレベルをしっかりこなし、友情にも厚かったからこそ、皆が感じる喪失感。最後には若い子もゲットし、仕事上の次世代育成までこなし、素晴らしい人生だったと思う。