劇場公開日 2016年8月11日

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「進化するCGに映画の良さは失われつつある」ジャングル・ブック ロロノアゾロさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0進化するCGに映画の良さは失われつつある

2022年8月13日
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鑑賞方法:映画館

素晴らしいCG技術だ。映画の撮影法、技術等は日々進化しており、より見る者を惹き付けてくれる。
だが、それを評価の対象とするのは如何なものかと思ってしまう。

昔の映画は、そんな技術もなく、脚本と役者の演技で勝負してきた。本作については人以外がすべてCG。果たしてそれを映画と呼べるのか。アニメであっていいのではないか。いささか疑問である。

また、本編ではストーリーの一貫性に欠けており、中盤より主軸がぶれてしまっていた。(本作ではバギーラは正義、シア・カーンは悪という構成であることが前提である。)

バギーラは人間の文明が、大自然の生態系を破壊することを恐れていた。天敵に襲われないよう崖の上に造った蜂の巣を道具を使って、全て採ってしまうモーグリの行動をバギーラは警戒した。シア・カーンについても考えは同義である。人間を自然界で野放しにすると、ジャングルの生態系を乱してしまうと考えていた。

にもかかわらず、バギーラは窮地に陥ったモーグリに対して、道具を使うこと(本編では人間のやり方と言っている。)を容認する。シア・カーンは悪とされ、人間の文明である「赤い花」によって、木々は燃やされ、シア・カーンも殺されてしまうのである。

正義と悪を二分割する米映画ではお決まりではあるが、これが童話では子供達は偏った考えを持ってしまうのではないだろうか。

ロロノアゾロ