「逆の意味で「どうやって撮ったのだろう」と」ジャングル・ブック うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
逆の意味で「どうやって撮ったのだろう」と
直前に「ターザン・リボーン」を見ていたので、やや気後れしたのだけど、そんな心配など無用なほどに、映像でも、内容でも、圧倒的に、「ジャングルブック」に軍配が上がる。
とにかく素晴らしいのは、主人公の少年がとても自然に動物たちと暮らし、会話し、戦い、成長していくこと。
それが、ほぼすべてVFXによるものだというのだから、驚異的というほか無い。今まで、この手のテクノロジーによって撮影された映像には、心のどこかで、「どうせ作り物なんでしょ?」などというあざけりがあったのだけど、ここまでのレベルになると、いったいどうやって撮ったのだろう?と不思議に思えてしょうがなかった。そのくらい男の子の演技は素晴らしかった。
そして、お約束のディズニーらしく、動物たちが歌い踊るシークエンスが何度か訪れるが、これが自然でよく作りこまれている。
日本語吹き替え版で見たのだけれども、歌唱担当は西田敏行さんと、石原慎一さん。実力は折り紙つきのミュージカル俳優だった。完全に実力ありきでキャスティングされているのだ。
やや、残念だったのは劇中、挿入歌としても、エンディングとしても、Little Gree Monsterの楽曲が使われなかったこと。
これまでのディズニー作品の(ピクサー、マーベル含む)日本語吹き替え版の暴挙に近い、セールス目当てのタイアップに比べ、今回は楽曲の完成度が段違いに良かっただけに、「肝心のときに何だよ!」と思わずにはいられなかった。
2016.8.13
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