「絵本、おとぎ話の世界が目の前に」ジャングル・ブック ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
絵本、おとぎ話の世界が目の前に
ジョン・ファブローという監督、実はガチにとんでもない人かもしれない、と。ピーター・ジャクソンやギレルモ・デル・トロなんかと肩を並べるほどの映像作家だったのかもしれない(どっちの手腕が上とかどうとかいう意味ではなく、こだわり方の気質として)と。なーんて、ふっと思いまして。こんな極上の作品、撮れちゃう人なんで。侮ってた訳じゃないけど、ここまで行くか、と。
いやあ『ジャングル・ブック』。ジャングル・ブック!これ、贅沢です。贅沢過ぎます。夢か現か幻か、鑑賞中はまるで魔法にでもかけられたかの様な気分でした。
スクリーンに映し出されるジャングルの空間が、もうね。もうリアルにしか見えず、なのに目の前で繰り広げられる現象はファンタジー。ただただ驚愕せずにはいられないというか。
リアルな動物が普通に話し、歌い、遊び、主人公のモーグリ君は彼らと会話し、歌い、遊ぶ。アニメチックなデフォルメの一切ない、生身で繰り広げられるアニメ的世界観。
その動物たちが全てCGで創造されたキャラクターだってんだから目ン玉飛びでっちまいますよ。まさにイリュージョン。
事前にその情報を得ていた状態で鑑賞してるのに、なのに驚愕しちゃうという。夢中になるという。
ストーリーに斬新さや真新しさは正直言って、ないです(まあ原作あるんでね)。ないですが、だからこそ映像に馴染むというか、真っすぐだからこそ、気持ちにすっと届くというか。
絵本かおとぎ話でしか体験してこなかった夢の世界が、目の前に在る訳です。広がってる訳です。これは映画館で体験しましょうよ。オススメです。
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