「この監督、センスある」シビル・ウォー キャプテン・アメリカ dragonmizuhoさんの映画レビュー(感想・評価)
この監督、センスある
前作からの監督だけどセンスあるよな。ハッキリ言って、PART1はあまり良いとは思わなかったけど、2からルッソ監督変わって、あきらかに良くなった。
ここのところのアメコミ映画は本当にウンザリだけど、良識ある人が作るといい物になるよね。
アクションが面白い。アベンジャーズもそうだけど、昨今のアメコミ映画はとにかく大味アクションでつまらない。派手なだけでアクビが出る。この映画はアクションの見せ方が本当に良い。激しいのに何をやっているかハッキリわかるし、とにかくカッコイイ。殺陣が巧妙なんだ。ハッキリ言ってカメハメ波VSカメハメ波なんて映像は退屈でしかない。殴り合いやチェスシーンにしても、力技だけでなく工夫している。クール。
特種能力者VS特殊能力者、少年ジャンプみたいな内容をセンスよく配置している。前述の力技対力技…とかじゃなくて、この能力に対してはこの能力がうまく対抗できるみたいな面白さ。アントマンが巨大化するとか、そうくるか!みたいなワクワクがある。そんな中、笑いも微妙に入れてるところがにくい。
ドラマをしぼっているのが良い。はっきり言ってアベンジャーズはヒーローの割り振りが混雑しすぎて胸焼けする。キャプテンアメリカの映画としたことで、まわりのヒーローの描写が抑えられスッキリドラマが見れる。ヒーローの葛藤もわかりやすくて良いし、その内容も現実に人間がかかえる内容だから共感できた。テロを背景としたアメリカがかかえるものが垣間見え、見識のバランスの良さを感じた。時代性かな。
敵が普通の、本当に普通の人間としたことがもっともセンスが良いと思ったところ。とにかくやたら強いモンスターを出しても、新鮮じゃない。去年のジュラシック・ワールドの遺伝子改造恐竜とか、もっともダサい発想でやってはいけない。普通の人間が超人たちを手玉に取るのがカッコいい。しかも現実世界で絶対にいる人種。悲しみを抱え、根っからの悪人じゃない。恨み切れないからこそ、ヒーローたちの困難が際立つ。
アベンジャーズは好きじゃないが、次作をこの監督が撮るらしいので、ちょっと期待したい。