「くすぶりシェフ」二ツ星の料理人 bionさんの映画レビュー(感想・評価)
くすぶりシェフ
ドラッグとアルコールと女で身を滅ぼした若き天才シェフが、自分を戒めるためにニューオリンズのレストランで牡蠣剥き修行した後にロンドンに現れる。パリで再起しなかったところを見るとパリで迷惑かけた人はとんでもなく多いのかな。
この映画の制作は、ワインスタイン・カンパニーだが、この主人公アダム・ジョーンズの厨房での暴君ぶりは、ワインスタインばり。いくら天才でも、再起したとたんコレじゃ空中分解も時間の問題。映画とはいえ、ちょっとやりすぎ感があるが、ラストへの伏線なんだろうね。
この作品、厨房のカットがとにかくいい。鏡のように磨かれた調理台の上で大胆かつ繊細に盛り付けられる料理。複数人が別々の料理を担当し、秒刻みで仕上げていく様は、僅かなミスが命取りになるような戦場の緊張感がある。そして、店がしまった後は、またピッカピカに調理台を磨き上げる。この清潔感があって、芸術的な色合いのある料理が目の前に見せられるから、もうよだれは出まくり。最近、フレンチとは随分ご無沙汰だから食べに行こうかな。
終わり方も自分好みだった。いい余韻で終わる映画ってエンドロールがなんとも気持ちいい。音楽もよかった。
ただ、『二ツ星の料理人』ってセンスないタイトルはどうなの?『くすぶりシェフ』でいいんじゃない。もっとダサいか。😹😹
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