「映像にかけすぎて予算が足りなくなったか」クリムゾン・ピーク kekeさんの映画レビュー(感想・評価)
映像にかけすぎて予算が足りなくなったか
主人公:トーマスに惚れて結婚する女
主人公の父:トーマスが大嫌いでルシールに殺されてしまう
医者:主人公を救いたい男
トーマス(弟):姉とラブラブだったけど主人公を本気で好きになる
ルシール(姉):弟大好きコンプレックスで主人公に嫉妬しまくるラスボス
財産目当ての姉弟がいて、
弟がいろんなお金持ち女性と結婚しまくり、
本当の愛が芽生えると面倒なので姉が殺す(とか言ってただの嫉妬)。
こんなやり方で生計を立ててきた。
主人公も同じく騙されて結婚するが、
幽霊を見る能力のおかげで、殺された女性たちの霊から暗示されて脱出する話。
ストーリーは薄いけど映像はとにかく綺麗。
昔なら映像だけでも受けていたと思うが、今見ると何かが足りない。
医者はピンチの主人公を助けて最後は二人で脱出すると思ったらあっさりやられて退場。
ルシールはいろいろと生活苦があったようだが、彼女の口から語られるだけでなかなか感情移入できない。
トーマスもどうしたいのか優柔不断で芯がなく、筋書きが断片的で突飛に見える。
例えばルシールが主人公に毒入り茶を飲ませ、ろくに歩けない状態になるのだが、
それを知った後の行動が、寝込んでいる彼女に「お茶は飲んではいけないよ」と告げ、姉と口論するだけで解決しない流れ。
姑の嫁いびりに対処できず妻を苦しめてしまう夫か。
姉の前で医者を殺す気概を見せるシーンでも、
「おまえを殺したくない。刺しても死なない場所はどこだ?」
「ココダ・・・」
ズブリ。とするのだが、この会話ができるなら刺さなくてもやりようあっただろうに。
しかもわりと重傷の模様。
主人公はこんなよく分からない男といきなり恋に落ちた点以外はまともだが、
タイトルのクリムゾン・ピークってこの映画で大事なワードなのか?
いろいろと描写が足りていないような気がした。
いっそ幽霊の出る館の嫁姑バトル映画に振り切れば面白かったのでは。