映画 聲の形のレビュー・感想・評価
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一番の悪は母親だと感じた
映画では描かれてないが ヒロインの母親は娘が障害の事でいじめられない為に無理矢理ベリーショートの髪型に変えようとするのだが、だったら「ろう学校」に通わせろよと言いたくなりました。客観的思考がまだ出来上がっていない小学生ともなれば尚更です。面倒見が良く親身になってくれるグループ、それを見て妬ましい憎悪を抱くグループに分けられる事は容易に想像が付くし 同じ学費を払っているのに自分らのクラスはなぜ手間と授業の遅れがあるのかと保護者からのクレームも来るでしょう 私から言わせればヒロインの母親は一見勇ましく見えても実はほぼ無責任な行為をしていると感じました
母親なのに手話が出来ない!? なんて胸糞な親だこと。
でも絵の綺麗さに免じて☆2つ
原作を読んでいないと評価は下がるでしょう。
心が深く動かされる傑作
映画を観てから原作を読んで、もう一度観ました。そして、紛れもない傑作だと感じました。
原作が大変濃いためさすがにキャラを完全に描ききれませんが、十分伝わる描写だと思いました。
(ただし、硝子ママと真柴は除く。原作の硝子ママと鬼畜元ダンナ一家とのエピソードはなんとかねじ込んで欲しかった)
石田も硝子も自分のせいで、と自分を責めてしまい、そこから中々逃れられない。でも、この自責ってひとりよがりで、自己否定してるだけ。過去と自分にばかりに気持ちが向いて、基本前に進まないです。
石田は手話をマスターするなど、硝子を想い行動しており、それは前に進めています。が、根本では自分が悪い、アイツを(みんなを)傷つけた、だから自分は幸せに生きる価値のない人間だと信じている。
硝子に至っては障害と母親との関係によって、石田以上に根深く自尊心が低い。自分が周囲に災厄をもたらしていると思い込んでいる。悲しすぎるよね、自己肯定なんて出来るわけない。
そんな風に「どうせ自分なんて…」って気持ち囚われているが故に、相手を想っていても、最終的には相手に気持ちが向けられないのだ。だから決定的にクラッシュしちゃうんだと思います。橋の上のシーンとか、花火大会のシーンとか。
でも、気持ちが自分から他者に向くと、大きな変化が起こり得る。友だちとの情緒的なつながり(永束とか佐原ちゃんとかユズルとか)が少しずつ進んでいき、その下準備はできていたけど、変化のトリガーは転落事故でしょう。
事故をきっかけに2人は互いに想い合えるようになったように見えます。やはり、あの事故で自己嫌悪に囚われていた2人は象徴的に死に、生まれ変わったのだと思いました。
2人の口ぐせ(?)の「ごめんなさい」ですが、転落事故の前後で意味が違ってきます。以前は自分を卑下したりごまかしたりする言葉でした。しかし、事故以後は互いに未来を創るための過去の総括としての「ごめんなさい」になったように感じました。気持ちの向き方が過去から未来、自分から他者にシフトできたのです。だから石田は「生きるのを手伝ってくれないか」と言えたのではないでしょうか。ここは本当に感動しましたね!
植野も罪悪感と後悔を感じているけど、自責ではなくなんとか打破しようともがいているように見えました。でも、衝動的だからなかなか上手くいかない。
植野は彼女なりに硝子とガチで向かい合おうとしているため、酷い感じだけど硝子にとっては嬉しいんでしょうね。植野の粗っぽいけど誠実な姿勢は胸を打たれました。植野キュートです!
原作既読者にとっては不意打ちであるラストの手話での「バカ」のやりとりは幸福すぎてウルっときました。ノーサイドって感じで、サラッとだけど本当に感動的なシーンだった。
序盤のいじめ描写はキツかった!だが、リアルなので目を逸らせない。
確かに、やったことは自分に返ってくる、はその通り。でも、教師の態度が事態の最悪さに拍車を掛けている。
あいつの態度で石田の自尊心は決定的に傷つき、さらにいじめの連鎖が起きてしまった。友情も壊れ、植野も罪悪感を抱えて生きるハメになってしまった。あの態度にはひどくムカついたし、すごく考えさせられました。
他のレビュアーさんが書いていらっしゃいましたが、教師や親にこそ観てほしい映画です。
サブキャラは川井以外魅力的に感じましたが、特に佐原ちゃんが最高だった!
原作よりも元気で明るい印象。カラオケのシーンは原作より良かった。
石田ママと西宮グランマもしなやかで本当に強い大人って感じで素敵だった。
aiko師匠のエンディングテーマも相変わらずの感じながらも(笑)、グッときました。
素晴らしいタイトルだと思う。
見ながら色んな事を思った。
聾唖の人とは直接な関わりが無いが、障害を持つ人と関わる仕事を長く続けているから。
その人たちは自分の気持ちを伝えるのが少し困難で、人の気持ちを理解するのも少し難しい。
共に町の中を歩いたり、商店に行くと初めて障害者を見たかの様に奇異の目で見ている人たちも少なからずいる。
物事の分別がついた大人でもそうなのだから、小学生ならそんな事は説明するまでもないだろう。
「いじめ」や「障害」をテーマにしているのでポップな学生生活が描かれているわけでもない。
しかし製作者の人の姿勢や気持ちが描かれているのは良いと思った。
他のレビューで「美男、美女が描かれているのはおかしい」や「いじめられた相手になぜ恋をするのか?」と書かれていたが、見ていて違和感は感じなかった。
それは主人公の石田の心の動きが描かれているから、しっかりと人間として描かれていたからだ。
それに顔にバッテンを付ける斬新な演出も面白かった。なるほどねと。
妹ゆずるの存在も非常に良いアクセントになっていたし、キャラとしても好感を持てた。一番好きなキャラクターかもw
花火の日の出来事は個人的には共感は出来ないが、本人にしかわからない辛さや苦しさがあり、健常者がどれほど優しい言葉をかけても慰めの言葉をかけても無くなりはしないのかな?と感じた。
最後に大好きなaikoの曲が流れるがとてもなめらかに耳に入ってきて心地いい歌でした。歌詞は少し違うかな?と思ったけど。
タイトルの「聾の形」と言う秀逸さには驚いた。作品を見終わってから思ったが、「音」ではなく「声」というのは人間の口からしか出ない物だから、、、、。それは尖っていたり、丸みを帯びて人を包み込んだり色々な形があると。
これから生まれてくる子供にどうか人を傷つけない丸い「こえ」の話し方を、出し方を教えないと、、、、。
そしてこれを見た多くの人が少しでも「障害」のある人に興味をもってもらえますように。
PS.恋愛映画です的な予告編はやめて欲しいなw
学生もカップルももちろん観に行くのは良いんだけど、(バカな)女子高生が上映中にパンの袋をガチャガチャとずっとやってるんで優しい「こえ」で注意しちゃいましたよwったく
私には受け入れられない
もう全てにおいて私には受け入れられない作品。
何故かというのはおいておいて、どのような人が向いてないかと言うと、硬派で生活を愛し、観るものに対してある程度疑い深い人には向いてないと思う。
女性が作ったっぽい映画。ヒステリックでついていけない。考えが偏った人が作った映画。
数少ない"覚悟を持った"作品。
人が人を理解するのには限界はないのか?
絶賛コメントではありません。
でも、原作者:大今 良時せんせにとっては、議論が多方向に広がることこそが意義とされていると推察し、劇場公開中作品は悪く言わない!の自己ルールを破って書きます。
あ、大今せんせも、「絶賛コメントより、批判コメントの方が分かりやすくて気持ちが良い!」
と仰ってますし。
宜しくお願いいたします。
(あらすじ)
ガキ大将的な存在の小学六年生:石田将也は、転校生の西宮硝子に興味を持つ。最初はからかう程度だった将也のいたずらが、だんだんと硝子の障がい(聴覚障がい)に及び、周りの生徒達も加わって、集団的な"いじめ"に発展する。しかしある事件をきっかけに、硝子は転校。そしていじめの対象は、将也に向けられる。
数年後、高校生になった将也は硝子に償う決心をして、手話教室へ向かう。そこにいる、硝子へ会う為に。
原作の漫画は、色んな賞を受賞しているのですね!
すみません。未読です。
凄く勇気のある描き方をしていると思った反面、将也が硝子をいじめたのは(原作は分かりませんが)"障がい者"だったからか、好きな子をいじめるという"反動形成的な男子の心理" だったのか、ふわっとしているとことか(そこをふわっと描くなら、硝子を障がい者という設定にする必要がなくないか?)、また、いじめの加害者である将也を、被害者である硝子が許す大きな原動力が"異性として好き"でいいもんなのか。
硝子が"好き"に辿り着くまでの心の変化が、ちょっと分からなかったですね。
好きな男子になら、何されても許せる!って女子の心理は否定しませんが、やはり硝子を障がい者という設定にする意味がない上に、テーマがぼやけてくるように思えます。
いじめの被害者が加害者を好きになるまでの過程を、あまりにも"胸きゅん"気味に描いていて、"好き"で全てを丸く収め過ぎな感じもしました。
ちょっと、もろもろ疑問が残ったのは、"好き"の熱量がかなり減少した、おばちゃんの私だからだと思います。すみません。
その中で凄く勇気のある描き方だと思ったのは、将也と硝子のクラスメイトの植野直花の存在です。
直花は硝子が嫌いと言い、はっきりとそれを本人に伝えます。最初は将也が硝子に好意を持ってることに対する嫉妬のように思えますが、後半はっきりと、それだけではない理由を言います。
「(硝子が)私達を理解しようとしないから」と。
「私達(直花他クラスメイト)も硝子を理解しようとしてなかったかも知れないけど、あんたもしてなかったじゃん。将也のすること、私達のすることに、全く意見を言わなかった」
つまり、自分を理解して貰う努力はしたの?って。
障がい者は理解されて当たり前の存在ではない。
そして当初は硝子に好意的だった直花が、なぜ態度を変えたのか語ります。
ちょっとびっくりしました。あまりない、描き方だったので。
でもよくよく考えたら、障がい者は弱くて、こちら側から歩みよってあげなくてはいけない存在ではないんだ。
直花は鋭い言葉を硝子に投げつけますが、唯一、硝子を対等に見ているんですよね。
冒頭に議論が多方面に広がることを、原作者は望んでいる。と書いたのは、この直花の存在からです。
他にも優等生:川井 みき、唯一、硝子を庇ってよい子ちゃんのレッテルを貼られ不登校になった:佐原 みよこなど、色んな視点からの思いが交差する。
本作が、一方向に感情を流そうとする感動物ではないことが、よく分かります。素晴らしいと思います。
あと、もう一人。硝子の妹の存在。
表面的には、純粋無垢な硝子に見えます。
周りに責められても「ごめんなさい」を繰り返す硝子は、とても健気で、控えめで、多くの人が受け入れやすい"障がい者像"ではないかと思います。
だから、こういう障がい者の描かれ方、もの凄く多いですよね。
けれど、本作は違います。
妹:結絃は、男の子の格好をして、中学校にも行っていません。
常に姉の傍にいて、姉が危険なことをしないか、誰かに傷つけられないか監視しています。
そしてカメラを首にかけ、動物の死骸を撮り続ける。それは、姉へのメッセージです。
「死ぬな」と。
この、姉の為に"自分の人生を捨てている"妹の存在が、硝子が単なる純粋無垢な少女ではないことを証明している。
自分勝手で、傲慢な、自分の痛みだけに閉じ籠もる、硝子の姿が見えてくる。
この描き方は、凄く上手いなぁと感心しました。
以前「マルガリータで乾杯を」という映画で、自由奔放(実際は違う)な主人公に対してまるで「障がい者は控えめに生きろ」とでもいうような批判的な感想を見て、ぞっとしたもんです。
個人的には、恋愛要素はあまり膨らませるべきではなかったように思います。
そして、冒頭にも書きましたが、もっと人と人が理解する"限界"を描いて欲しかった。
分かり合えない関係だって、いいじゃない。
でも、自分だったら、あのクラスでどうしたか?
自分だったら……、と観客に思わせたら、大成功ですよね。
傑作という評価が散見されますが、私は本作を「数少ない"覚悟"を持った作品」だと感じました。
全力で、オススメします。
余韻が半端ない
素晴らしい作品。
原作既読です。
いじめ、障がいという難しい題材を扱っており、そのあまりのリアルな表現に眉をひそめてしまうことも。
しかし本題はコミュニケーションの難しさや人間の自分勝手さ、未熟さ、そこからの成長を描いていると思います。
また、決してCMでまとめられているようなイチャイチャラブラブストーリーではありません。
aikoさんの主題歌も誤解を与えますね(笑)
この映画のすごいところは観ている私達の立場、経験、性格等によって、物語の感じかたが全く異なるであろうこと。そしてどう感じてもそれぞれが正解であろうこと、ではないでしょうか。
扱っている題材、登場人物の心情がものすごくリアルに、繊細に描かれていて、そのどれに感情移入してもいいんです。
どれにも感情移入せずに客観的に観ても面白い。
メッセージに溢れているのに価値観を押し付けないんですね。
また、原作既読の身として観賞前の不安がヒロインの演じかたでしたが、声優さんの演技力に息をのみました!
声優さんにはぜんぜん詳しくないですが本当にすばらしい演技でしたね。
君の名は。とはぜんぜん異なる映画です。
どちらも優劣付けられないほどすばらしいです。
どちらも観ましょう!(* ̄∇ ̄)ノ
聲の形は「間」の作品でもあります。
観る側がその「間」に自分なりのインスピレーションを当てはめていく映画なのかな?とも思います。
君の名は。は全編受け身で楽しめるのに対して、聲の形は視聴者のHPを消費しますので、心を満タンにして観に行くことをオススメします(笑)
いや、HPが少ない人ほど補充されるかも!(どっちやねん!)
人によってはその余韻を3日は引きずるような、そんな出逢いになると思います。
素敵な作品
比較するのも悪いですが
形容し難い
感動した。
喋らない主人公がもどかしく伝えようとする言葉とは裏腹に、自分に対峙し、赦し、生きようとする主人公の感情が突き刺さる。
漫画にも驚いたが、アニメになった事に、凄く驚いた。
…そして、観終わって更に驚いた。
アニメはこんな事も出来るのかと。
無音の間が、なんと雄弁に語りかけるのだろうか?
その仕草や、表情など…実写にさえ出せないニュアンスじゃないのか?
死を平然と受け入れている高校生の絶望感をあんな日常に落とし込めるものなのか。
声優の奏でる台詞もさる事ながら、絵としての表現力が素晴らしく…いや、それはそのまま原作者の力量と作監のセンスの賜物ではあるのだが、見事なのである。
お願いだから、実写映画化とかの悪しき流れに乗りませんように!!
それほど完成された見事な作品だった。
突き刺さる程の棘を提示し、力技でもなんでも向き合わせる。
だけど、それだけでは終わらない。
苦悩し、足掻き、縺れて、ぶつかって。
でも、そこに止まりはしない。
逃げ込まない限り、変化は起こり続ける。
だから、恐れるな。
そう言われてるような気がした。
ガラスよりも脆い、10代の感受性が尊いものに思えた。
気持ちを伝えるって難しい。 自分が今何を思っているのか、それを伝え...
どこかこんな風に生きてきたような
原作未読。小学生から中学生になり高校生になり、誰かを傷つけたり傷つけられたりしているうちに人と接することができなくなった少年、転機となった耳が不自由な少女と再会し過去の人間関係を清算する話。流石は京アニという絵のきれいさ・可愛さと、ピアノと電子音を基調とした音楽が心地良い。冒頭のMy Generationだけは不思議だが…。ストーリーは想像以上に胸に刺さった。群像劇ではないが、登場人物のキャラが分かりやすく、色々な「駄目さ」が際立って、それが自分の過去をチクチク刺すような感じ。
ヒロインの過剰なまでの優しさによって成り立っているような話な気がするけど、別のキャラクターが「それを言っちゃお終いだろ」みたいな言いがかり、だけどある意味(良いか悪いかは別として)凄く素直な思いをぶつけているあたりでは、自分の道徳心を値踏みされているような気になるというか、不自由を抱えながら曖昧な微笑みを絶やさないヒロインに都合の良さとうっとうしさの両方を求めている感じがして、そこもひりひりする。主人公も、作中でも自分のためと言われているが、自分でまいた種を自分で刈り取っているようなところもある。誰もが自分勝手なところがあるんだけど、それにどうやって折り合いをつけるのか、傷つきながら模索している感じ。まとまらないのだけど、息苦しさと、その合間に深呼吸できるような安らぎを感じる。良い映画だと思う。
オススメ!
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