劇場公開日 2016年9月17日

「問題作の劇場アニメ化を考える」映画 聲の形 マ王さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0問題作の劇場アニメ化を考える

2024年7月15日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

知的

友人が鼻息荒くマ王の所にやってきて「凄いマンガがあるぞ」と捲し立てた。
大今良時の原作「聲の形」だった。
何が凄いのか解らず渡された全7巻をマ王は読んでみた。

成る程、可愛らしい絵なのに容赦の無い無垢な残酷をココまで描き切るとは。
更に驚いたのが「聲の形」は少年誌での連載だった事だ。
よくもまぁ世間が許したもんだ(調べたら実際に大問題になってたらしい)
全7巻の中身がイジメ、自殺、障害者、挫折など、子供が見てはダメ、と教育委員会やPTAが目を吊り上げる内容だからだ。
ただし全てを否定するではなく、ちゃんと作者の考えを溶かし込んでるトコは見事なストーリーテーラーぶりだと感嘆した。
悪い話ではない、でも知識の無い子供が見たらどういう反応を示すだろう。
大人が読んで老婆心を抱くくらい「聲の形」は良薬と劇薬の狭間に居座る名作である。

マ王自身、子供の頃はイジメもしたしイジメられもした。ここは正直に告白しておく。
だから、どちらの気持ちも代弁出来ます。
いい大人になって理解したのは、イジメ根絶は不可能なのとそれでも、イジメる側が絶対アカンくらいで積極的な行動には出ていない。
何処の世界にも未だにイジメという行為は存在し多くの人々を傷付けてる、更にはイジメは高度化しフィジカルよりもメンタルへのダメージを狙うという悪質な形態に成長している。
マ王のイジメ問題も随分と過去の話だが、加害者被害者どちらの感情も黒く残って洗い流せない。

マ王の唯一のアドバイスとして被害を受けてる方は誰に相談しても構わないので、イジメから逃げる、しか無いと思う。
何も日本の生活に拘る事も無い。
貴方の個性は日本サイズではないだけで、世界に目を向ければ受け入れて成長を助けてくれるトコなんて山のようにあるぞ。
それでも日本から離れたくないなら最悪の選択だけはしてはいけない。
要は自殺である。
貴方にとっては復讐のつもりかもしれないが、死とは加害者に想像以上のダメージを残す。
その後の人生が大きく狂ってしまうワケだ。
でも自殺って貴方がされた事と同じ行為の最強ヴァージョンなワケで、貴方はイジメの加害者として死を迎えるのさ。
ソレは貴方の最終評価として人生が終わる意味なんよ。
「それでも構わない」という短絡思考が一番ダメ。
相手と同じ土俵にワザワザ登ってはアカンのよ。
恨みは残るかもだけど、それだって何時かは赦してやらなくてはいけない。
何故なら貴方の人生なのだから他人の事で時間を消費するなんて勿体無いのよ。
さっさと忘れて(赦さなくては忘れられない)自分の人生を取り戻さないとね。

放火で多くの犠牲者を出した京都アニメーション制作の劇場版「聲の形」はいい形でバイブルになっている。
別にハッピーエンドを狙えという話ではない。
進行形でイジメの加害者も被害者もそれ以外の何もしてこなかった傍観者も、多くの人間に観てもらい多く語り合ってほしい映画でした。

映画館での鑑賞オススメ度★★★☆☆
でも多くの人に観てほしい度★★★★★★★★★★
イジメはアカンけど早いトコ謝れ度★★★★★

マ王
マ王さんのコメント
2024年8月17日

コメントありがとね、ピノキのこさん😁
仰っしゃる通り、内容は尖ってます😐
決して柔らかい青春群像劇ではありません🤚
踏み込むトコにシッカリ踏み込んで描いてます(そうでないという意見もあるんだけどね)
健常者の感覚、障害者の視点、それぞれの家族の葛藤、何より人間そのものの問題提起を2時間程度では表現出来ないのも判るけど(原作では皆で映画を撮って大失敗するエピソードがあるし成人したエピソードもある)改めて考えさせられる物語だったとマ王は感じてます🤔

ていうか、久し振りに金曜ロードショーなんて見たわ🤣
映画は殆ど映画館かオンデマンドで鑑賞してるからなぁ😑

マ王
2024年8月17日

金曜ロードショーで子供と観ました
なかなか難しい内容で…
今の御時世尖った発言でもすれば一斉に袋叩きにあう
どこを切っても同じ形の金太郎飴でなければいけないという窮屈な世の中

皆違ってみんな良いとお互いが思い合える心の豊かさがあれば違ってくるのかなあ
心の豊かさを育める環境とは一体…

作中に出てくる「養老天命反転地」に一度行ってみると大切なヒントが見つかる気がします✨

ピノキのこ