「単純な物語ではない」映画 聲の形 むっしゅさんの映画レビュー(感想・評価)
単純な物語ではない
ハンディキャップといじめを題材に、立ち直りと仲直りを描くだけの出来合いの物語と捉えていたら大間違い。
そんな簡単なものではなかった。主人公は心を閉ざした少年のほうで、周囲とのかかわりのむずかしさ、ネガティブな中からは何も生まれてこない、根本的な問題を解決するにはまだまだコドモで、でもコドモなりの一生懸命さが伝わってきて、と、これは凄い作品だと思い知らされた。
さらに主人公だけではなく、ハンディのあるヒロインはもちろんのこと、友人たちや家族、それぞれの思いが複雑に絡み合って構成された作品は、すべてを簡単に終息させる流れにしていない、後始末をしっかりしていることからも、観る者を唸らせる出来栄えでした。
ヒロインの発する言葉は、障がい者だからという目で見ているから最初のうちはよく聞き取れなかったけど、そういう気持ちをとりはらった最後はハッキリと聞き取れました。相手にしっかり伝えることって大事なことであるとともに、相手のことを知り、聞くことってもっと大事なこと。コミュニケーションの大切さを改めて学んだ一作でした。印象的な、顔の×印、ラストはボロ泣きでした。
コメントする