劇場公開日 2016年9月17日

「周囲の人間」映画 聲の形 さえさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0周囲の人間

2016年9月30日
iPhoneアプリから投稿

漫画から気になってはいたが漫画は読まずに映画のみ鑑賞。
はっきり言って、小学校の時のしょうやのしょうこに対する虐めは卑劣で外道だと思う。
ただ自分と違うから、しゃべり方がおかしいから…そんな理由での虐めはよくある。
校長からの話でしょうやは自分から言おうとした。
あの場でのあの担任の行動は、はっきり言ってどうかと思った。
実際に補聴器を壊したり虐めを先導していたのはしょうやかもしれない。
ただ、それは個人的にしょうやに怒るべきことであって、いくらクラス内での虐めであったといえどもしょうやを吊るしあげて晒し者にしていいわけではない。
しょうこの母親に謝りに行き、ピアスをちぎられたしょうやの母親は絶対にしょうやを責めなかった。
それはしょうやにとって唯一の救いであったと思う。
小学校の同級生の手のひら返し。しょうやの虐めも悪いが周りでそれを見て、面白半分に「やめなよ」なんて言っていた自分たちはしょうこを虐めてなかったのか。
軽い気持ちでしょうやの虐めに参加し、いざ立場が悪くなると「しょうやがやった」なんて言って自分の逃げ道を確保する。
我が身が可愛いだけの小学生。
時が過ぎ高校生になると、小学生の時に何もなかったかのように寄ってくる植野。
高校生になっても相変わらず我が身が可愛いだけの川上。
相手の心の声をきちんと聞くことの大切さ、自分が関わっていることにはきちんと責任を持つこと、全てを知っても変わらず受け入れることの重要さなど様々なことに気づかされた。
姉に生きていてほしい、娘に生きていてほしい、息子に生きていてほしい、友達に生きていてほしい
様々なかたちの愛に気づけた作品だと思う。

さえ