劇場公開日 2016年11月5日

  • 予告編を見る

「おら東京さ行ぐだ」溺れるナイフ 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0おら東京さ行ぐだ

2020年9月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

難しい

幸せ

ずっと気になっていた作品。
原作は17巻にも及ぶ名作漫画らしい。
予告やポスターからはキラキラ青春系の量産型に見えますが、リアルカップルの菅田×小松コンビならきっとなんかあるだろうと思いながら…
前半は映像が美しいけれど、展開が早くいまいちついていけない。
山戸結希監督だからというのも、期待していた理由なんだけれど、なんか…
しかし、やはり後半で展開がガラッと変わりましたね。
レイプという青春には似つかわないような重く深刻な話。
でも、女性監督だからか女性からの叫び、苦しみがとてもリアルに表現されていたと思います。
後半になってからも、最後まで想像のつかないラスト。
最後の最後でタイトルの意味を理解しました。
コウちゃんが振り回す松明、そしてコウちゃんの表情。
可愛く振る舞っていたカナも恐ろしいほどの睨みを利かせ、夏芽も女優魂を魅せる。
結論から言うと、やはり正直分かりませんでした。
だけれど、ハッピーエンドであり、バッドエンドな物凄い勢いは伝わってきます。
何気ない会話から、それぞれの気持ちの繋がりが見えてくるのもエモくて素敵でした。
とにかく映像美と俳優陣の演技力は間違いなし。
コウちゃんのふさふさとした金髪、愛を象徴するかのような椿の赤、青春の透き通るような純粋な水。
近年の作品でここまで田舎の自然の美しさを表せている映画はない気がします。
急にアップになったりする撮り方はあまり好きではありませんが、とても工夫して撮っているんだろうなと感じることができました。
菅田将暉、小松菜奈、上白石萌音の演技力は勿論良かったんですが、MVPは重岡大毅。
ジャニーズだから舐めていました、ごめんなさい。
志磨遼平さんのクネクネヘニョヘニョとした演技、毎度トラウマだけど今回は大丈夫だった市川美和子さん、ミッキー・カーチスさんも流石の存在感。
レイプ犯役の方も迫真の演技で、どの人も役柄に似合っていました。
金髪菅田将暉は最強で最狂。
こういう菅田将暉が見たかったというビジョンそのまんまでした。
原作等でストーリーをもう一度脳内に取り込んで、また観たいなと思います。

唐揚げ