「情緒不安定」溺れるナイフ たんたんさんの映画レビュー(感想・評価)
情緒不安定
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小松菜奈さんの作品を辿るうちに、この「溺れるナイフ」を拝見しました。
1度通して鑑賞したまでですので、表面的な感想を述べらればと思います。(原作は拝読しておりません。)
この映画に言葉を与えるとしたら、"情緒不安定"という言葉が第一に浮かびました。
夏芽と航の間の青春や、夏芽と大友との間の日常的な恋愛などの、陽気な映像。
その一方で、夏芽に襲いかかる事件、夏芽の葛藤などの陰湿な場面。
これらが目まぐるしく、入れ替わり立ち替わりで鑑賞者の前に現れます。
その意味で、我々視聴者も、また登場人物も、"情緒不安定"にさせられることでしょう。
このことは、場面転換の速さや、登場人物の心理描写の薄さと言うような批判点に繋がるのかもしれません。
しかし、我々受取手側の寛容な読解で、登場人物の活動の地盤を固めてあげられるのならば、衝動的で感傷的な若者の恋心を描けている作品なのではないかと感ぜられます。
特に、大友が夏芽の部屋にお見舞いに訪れたシーンや、夏芽と航が山小屋?で関係を結んだ後に、航が夏芽を突き放すシーンなどは、青年らの恋の様子が良く表現されていると思いました。
けれども、やはりその場面転換の速さに、一度の鑑賞でこの映画を評価しなくてはならないのならば、酷評をつけざるを得ない、というのが率直な感想です。
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