「映像的説得力・美しさ」溺れるナイフ dekamoさんの映画レビュー(感想・評価)
映像的説得力・美しさ
前半の菅田将暉・小松奈々の美しさが何よりも素晴らしい。
ロケーションに恵まれてた。俳優自身のきらきらが突出してありつつ、青春=走ると言わんばかり、走る、あるいは叫ぶ、濡れる。必然性のためのベタを恐れない演出は響くものだと確信する。メルギブソンのごとく。
小松奈々が菅田将暉を好きな気持ちが抑えきれず、ただの恋愛に夢中な娘になってきたところは、菅田将暉に共感し、つまらない女になったと感じた。
一方、高校生になり菅田将暉がグレてるころには小松奈々目線で物語を追っていた。
大友は素晴らしかった。映画の約束の日、風邪の見舞いに来るシーン、キスの助走のような顔の近づく間にドキドキさせられた。バッティングセンター、カラオケも印象深い。
コウちゃんは山や海、対して、大友は映画やカラオケと彼らの対比も面白いだろう。
終わり方、夢か現実かというような構成。「ラ・ラ・ランド」のラストを思い起こした。オチを曖昧にするとも言えるが、それまでの美しく、面白いシーンで高まった気持ちを大切にさせてくれる構成ではないかと思う。
少女漫画原作だと避けるが一見の価値があるなと知る作品だった。
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