「少女漫画と実写という他ジャンルの足の引っ張り合いが…」溺れるナイフ sunatanさんの映画レビュー(感想・評価)
少女漫画と実写という他ジャンルの足の引っ張り合いが…
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何とも歯がゆい作品。
主演の二人はとても存在感があったし、友人役もヒロインとの打ち解けた演技(眉毛のところとか)などよかったと思う。
ロケ地の風景も美しく、映画としての造りはすごく良かった。
ただ、どうしても、飲み込めない違和感が出てくる。
少女漫画と映画では機能が異なっているためだろう。
突き詰めれば映画が描こうとするのは生身の『人間』だ。
逆に少女漫画は少女の内面に寄り添う優しい虚構だ。
どちらが良い、悪い、ではなく、機能が違う。
だから少女漫画では成立する表現が
映画では成立し難くなってしまう。
二度目のレイプシーンあたりから、その違和感が物語を引き裂いてしまったような気がする。
映画だけのもっと思い切ったラストを作った方が良かったのではないかととても残念。
原作は原作で面白そうなので、やっぱりこれは少女漫画から力を入れた邦画を作ろうとすると中々に難しいという話なのだと思う。
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