「理解は出来ても共感はしづらい?独自の世界観で描く、若すぎる愛の物語。」溺れるナイフ 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
理解は出来ても共感はしづらい?独自の世界観で描く、若すぎる愛の物語。
【賛否両論チェック】
賛:同じように居場所をなくした少年少女が、互いに惹かれ合い、惹かれ合う故に傷つけ合ってしまう様が、痛々しくも切なく描かれていくのが印象的。楽曲や自然の描写等、世界観も独特。
否:主人公達の言動にはなかなか共感しにくい部分も多く、腑に落ちるかどうかは観る人次第。展開もかなりのご都合主義か。
片や、華やかな世界から急に何もない現実へと引き戻され、居場所を失っていた夏芽。そして片や、地主の息子で自由奔放であるが故に、同じように居場所をなくし、破滅的な生き方しか出来ずにいるコウ。2つの孤独な魂が、ぶつかり合いながらも惹かれ合い、惹かれ合うが故に傷つけ合ってしまう、そんな青春時代ならではの歯がゆい感情が、独特の世界観と共に描かれていくのが印象的です。
ただ、夏芽の行動やコウの言葉の端々には、理解は出来てもやや納得しづらい部分も多く、共感出来るかどうかは観る人次第なところがありそうです。
展開もかなりのご都合主義で、ツッコミどころもありますが、居場所をなくした者達がもがく青春の生き様を、是非ご覧になってみて下さい。
コメントする