「溺れる演出。」溺れるナイフ ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
溺れる演出。
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原作は知らず、劇場でやたら目を引く宣伝に目が留まったので
観に行ってみた。若手監督による野心溢れる作品に違いないが、
勢いあまって踏み外している感があって好き好きが分かれそう。
自意識過剰のヒロインを描くことに定評があるのだという監督
の個性はかなり活かされている。いきなり叫びだす、走り出す、
大声で喚いている背後で大音響、マンガならではの忙しさだが
原作の大ファンというのが影響しているのではないかと思った。
らしさや雰囲気は俳優陣含めて絶大なのだが、ドラマ力に欠け、
特に突然起こる事件がラストでまた起こるような無駄によって
意味の分からない動揺が走る。落ち着いた展開ではないことは
重々承知でも、ここまで忙しいと動きだけに目がいってしまい
結果、何だったんだろうねで終わってしまう。いやこれが青春
ってものよと言われれば確かにその通りだが、原作の鋭さに溺
れてしまったのは監督自身なんじゃないかと思えて仕方がない。
(大友がいい味出してた。必ずああいうキャラの人出てくるよね)
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