「『おとぎ話みたい』のグレードアップ」溺れるナイフ 花火さんの映画レビュー(感想・評価)
『おとぎ話みたい』のグレードアップ
ロングショットの決まり具合に比べて、俳優の顔へのクロースアップに魅力が欠けるのが難点。菅田将暉-小松菜奈-重岡大毅の高低差が視覚的に丁寧に演出されているのは好感。火祭りは圧巻ではあるのだけど、菅田将暉の演舞はああいう編集でよかったのだろうか。その点、重岡大毅が小松菜奈にフラれるくだりで、彼が"俺ら東京さ行ぐだ"を歌うシーンは、カットを割らず引きで撮っているぶん深く感じ入る。
監督の代表作『おとぎ話みたい』でどうにも受け入れ難かった語りの混乱は原作があるためか、あるいは今回ベテランの井土紀州が共同で書いてるだけあってか、かなりすっきりまとまっている。
ちょっと気になったのは小松菜奈と菅田将暉が舟で海に出ているあたり。あの辺の二人の台詞は同録じゃないように思えるけど、考え過ぎ?
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