「葛藤の辛さ」アバウト・レイ 16歳の決断 ガガーリンさんの映画レビュー(感想・評価)
葛藤の辛さ
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トランスジェンダーの彼ではなくて、その母親に焦点が当てられている作品。彼の決断に寄り添って自由に生きていける環境を整えたい、けれどもそのためには自分の不貞行為が原因で離婚した夫に同意を得なければいけないし自分は早く母親の家から独立しなければならない。
元はと言えば母親自身のせいで彼が自由を手に入れられず、他人から被害に遭うこともあるのだから一刻も早く手術を受けさせてやりたい気持ちがあるが、物事は上手くは運ばず彼との間に溝が生まれる始末。
最終的には彼は手術を受けることになり、ハッピーエンドであるとは言えるが、いざ自分が彼の母親のような立場になった時、相手にどういう対応の仕方ができるかは実際に分からないし気持ちを理解することができるだろうかという不安もある。この作品はトランスジェンダーがテーマだけれど、それ以前に他者を理解すること、他者に寄り添うの難しさと大切さを教えてくれるものだと思う
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