「変人が世界を変える」マネー・ショート 華麗なる大逆転 えいじさんの映画レビュー(感想・評価)
変人が世界を変える
リーマン・ショックをウォール街を出し抜いて予見し大金を手にした男たちのおはなしです。
男たちと言っても3グループがそれぞれパラレルで匂いを嗅ぎ当て、真相を探りながら人生最大の賭けに出るという描き方をされているので、ちょっと流れとか人間関係が混乱するかもしれません。
私は多少ですが金融の知識があったので(ちょっとついていけないとことはあったけども)楽しく見ることが出来ましたが、一緒に行った妻は多少事前レクチャーしたものの、少し理解が足りなくて多分★3くらいだと思います。ハリウッド映画らしくスピーディなのはいいのですが、内容が濃すぎてついていくのがちょっと大変かも。
最後のほうで主人公のひとりが、ここでしか売り抜けられないというタイミングで「ここで売ったらあいつら(強欲なウォール街の面々)と一緒になってしまうんじゃないか」と悩むシーンが非常に印象に残っています。売れば莫大な富を得るが、その裏には多くの人々の不幸や困難があるということで悩む姿は、主人公の嘘をつけないパーソナリティと相まってなんとも言えないものでした。
原作もまだ3分の1くらいですが読んでまして、この映画を面白いと思われた方は是非読んで頂きたいくらい面白いです。主人公たちの変人ぶりや何者にもとらわれずに真実を追求する姿がより克明に感じられることと思います。
ちなみに原作の冒頭には「ウォール街の役割の真髄とは、資本を割り振ること。つまり、誰が持つべきか持たざるべきかを見きわめることだ」とあります。
彼らはきっかけを先取りしただけかもしれませんが、自分の頭で考えぬいて調べ抜いて多くを手にしました。尊敬に値します。