劇場公開日 2016年3月4日

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「唖然とするほかないリーマンショックの真実」マネー・ショート 華麗なる大逆転 夢見る電気羊さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0唖然とするほかないリーマンショックの真実

2016年3月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

怖い

知的

登場人物がチームになって、銀行と勝負する!みたいな展開かと思ってたけど、それぞれ個別に気が付いて、個別に動いていた話だったんだね。
あのリーマンショックが、一体どういうものだったのかを簡単に知ることができるという意味で価値のある作品。信用のないもの=サブプライムローンにAAAの格付けをし、それを売り抜けるという詐欺でしかない行為で巨額の資金を得る。こんなことが現実にあったということに戦慄を覚える。サブプライムは第二優良ローンみたいな名前だが、実質は焦付き必至の時限爆弾でしかなかった。
見ていて自慢げに話す人々、自分たちが破綻することなど微塵もない。しかし見てる側はどうなるか知ってるし、その実を見ていれば、話す内容に唖然とするほかない。
賭け事の勝敗を賭ける行為をしている人の勝敗をさらに賭ける、なんてのが分かりやすい説明だったが、こんな全く実のないもので、皆んなが皆んなを騙している。
しかも、今なお同様の商品を売っているというから呆れる。金融というのは、どこまでも実のない虚を売る産業だと思う。
これは、一見、予想が大当たりして勝ち誇るような出来事のように見えるが、この経済、金融のあり方へのアンチテーゼであり、大きく皮肉りつつ批判しているのだ。

夢見る電気羊