あなたを、想う。のレビュー・感想・評価
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時空のモザイク
トリッキーな脚本を味わいたい人のための作品だと思う。
自分は、途中までは、登場人物もストーリーもさっぱり掴めず、切り上げて帰ろうかと思ったくらいだった。
過去へのフラッシュバックが唐突に始まるし、兄と妹の現在の話も時間的にシンクロしていない。
当然ながら、幼少期の俳優と大人になってからの俳優の顔が一致しないので、ますます分からない。
ボクサーのサイドストーリーはメインストーリーと関係がなく、取って付けたような話だ。
おまけに、幻覚シーンまで出てくるのだ・・・・。
鑑賞者を混乱させるのは、監督が意図的に狙ったものであることは明らか。
最終的には、この“時空のモザイク”構造は1つのピースに収斂し、わけの分からなさは解消する。
しかし、同じような経験をしたわけではない自分には、「人間の情感、家族などについて」描いたという、ストーリーそのものに共感することはできなかった。
魚は海で生きている
台湾台東市から東に約30㎞の離島、緑島出身の兄妹と妹の恋人でボクサーの男の胸の内の話。
現在は現代画家をする妹と、網膜剥離になってしまったボクサーと、旅行ガイドの兄という設定から、わだかまりや不安や過去に纏わる想いをみせていくストーリー。
現在のパートに過去のパートがちょいちょい織り込まれていて、あらすじを知っていないと序盤は流れが判り難い。
サスペンスでもないのにそんな雰囲気のシーンの意味も良くわからなかったし。
当然、主人公達とは境遇が違うし、漠然としていたり抽象的な描き方も多く、どっぷりとハマるには至らずという場面もあったけど、大人になって想い返す親の愛情とか気付きとか温かくて沁みてきたし、ラストは超判り易いド直球でほっこりした。
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