劇場公開日 2016年11月19日

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灼熱のレビュー・感想・評価

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3.0属性、特にたまたま生まれた場所、民族の属性に、過剰に自らのアイデン...

2022年3月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

属性、特にたまたま生まれた場所、民族の属性に、過剰に自らのアイデンティティーを投影するとロクなことにならない。まず、個が不安定だから、自らの属性が優れてるという思い込みで、根拠の無い自信を持つ事が始まり、他の属性に対してマウントを取るようになる。そして差別が始まり、お互い喧嘩になる。規模が大きければ戦争・・・。日本凄いとか言ってる輩は危ないと思う。世界中 どの国も色々凄い。

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J417

3.0クロアチアとセルビア

2021年9月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

映画は知らない国を知る窓
行ったことも行くこともない国を垣間見る
知らないことが多すぎるあたし…60年も生きてるのに

この映画自体は複雑な心境を粘り強く描いていることと、その土地の風景を見せてくれていることで見て良かった
もっと良かったのは
この映画の公式サイト
大変詳しく旧ユーゴスラビアからそれぞれの民族が独立して行くこと、その歴史の背景を説明してくれている
自分の理解としては浅いかも知れないけど
この周辺を把握できたことはとても為になった

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mamagamasako

4.0【”民族とは何であるのか。何故に異民族同士は争うのか・・。”という難解で深遠なテーマを斬新な構成で描いた作品。だが、この国で大多数を占める大和民族の男にとっては真の理解は難しいと思った作品でもある。】

2021年9月12日
PCから投稿

悲しい

知的

難しい

ー 今作で1991年、2001年、2011年の三つの時代で描かれるセルビア民族の女性と、クロアチア民族の男性の愛憎の物語を”日本と言う島に住むほぼ同一民族である、大和民族の男”が真に理解することは、非常に難しいと思った作品である。ー

 ■この作品の構成は、観れば分かるが、クロアチア民族が旧ユーゴスラビアからの分離独立及び、クロアチア人とセルビア人との民族対立をめぐって起きたクロアチア紛争が始まった1991年を皮切りに、
 紛争が表面上終結した2001年
 近代化が進み紛争の面影がバルカン半島から表面上、ほぼ消えた2011年
 を舞台に、セルビア民族の女性と、クロアチア民族の男性の3つの異なる愛憎の物語を、同じ俳優2人が演じている。
 当時の資料では、それを”1つの愛の物語 2つの民族 3つの時代”と表現している。

◆感想
 1.1991年の物語
  ・民族紛争勃発前夜に永遠に引き裂かれた男女、イヴァンとイェレナの哀切極まりない姿を描く。
 ー 3つの物語の中では、民族間紛争の哀しさを最もシンプルに描いている。愛する女イェレナを遠目に見ながら、トランペットを吹くイヴァンの姿と銃声が哀しい。ー

 2.2001年の物語
  ・クロアチア紛争は、表面上は収まったが、セルビア民族と、クロアチア民族の間に出来た溝は埋まっていない事が、兄をクロアチア人に殺されたナタシャと、父をセルビア人に殺されたアンテの恋の中で、痛切に描かれている。
 ー ナタシャが思い出の海岸にアンテと行った際にお互いに口にしてしまう、”言ってはいけない言葉”が哀しい。ー

 3.2011年の物語
  ・平和を取り戻した現代。
  過去のしがらみを乗り越えようとするセルビア民族のマリヤとクロアチア民族のルカ。
 ー 二人の間には幼き子供がいながら、過去の二人の間の出来事を乗り越えられない姿。ー

<日本と言う小さな島で圧倒的大多数を占める大和民族(他は、アイヌ民族と琉球民族であるが圧倒的少数民族であり、且つ差別の対象であった。)に属する者にとっては、今作が訴えかけてくる”異民族同士は、何故に争い合うのか”という難解で深遠なテーマを真に理解する事は、難しいと思った作品。

 同一民族でも、大国の思惑により長年対立し続ける朝鮮民族や、ロヒンギャの様に、近年まで存在自体を否定されつつあった民族。

 民族とは、一体何なのであろうか。

 ヨーロッパの火薬庫と呼ばれたバルカン半島で、数世代に亘り、民族間紛争を経験してきた家系の人間でないと、本作の本質を理解することは、非常に難しいと思った作品である。

 但し、映画として観た場合には構成の特異さや斬新さ、3つの時代を生きた異なる男女役を演じたゴーラン・マルコヴィッチと、特にティハナ・ラゾヴィッチの姿には強烈な印象を抱いた作品である。>

<2017年9月10日 京都シネマにて鑑賞>

<2021年9月12日 別媒体にて、再鑑賞>

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NOBU

4.5三つの物語だが

2020年12月25日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

1991年と2001年は、連続した内容として設定されている
2011年は1991年の登場人物と設定を一部使ってるが、別のお話
とても綺麗な映像で、クロアチアセルビアの景色が堪能出来る
カメラマンと監督は流石だ

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shuhari55

4.0同じテーマの3つの物語

2019年6月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

難しい

ユーゴスラビアの独立に伴ってのクロアチア人とセルビア人の紛争が映画の背景となっている。クロアチア、スロベニア、セルビア合作、2015年の作品。

物語は1991年、2001年、2011年と10年ごとにそれぞれのセルビア人とクロアチア人の悲劇、苦悩、憎しみ、愛欲などを描いたオムニバス形式で進んでいきます。最初はつながっているものと思ってみていて、「あれ?どうなっているんだろう」と思いました。2章の途中で多少、調べて「別々の物語か」と気付きました。主人公女性と男性は同じキャストで別人を演じていますが、共通テーマを扱っているので、それが功を奏していました。

静かなんだけど、内に熱いものを秘めているような映画だった。主人公のティハナ・ラゾビッチは、美人じゃないけど、すぐに爆発してしまいそうな強い負の感情を持っているような女性を上手く演じていたように思います。2章では、性の衝動にまかせて、秘めた気持ちをぶつけるような行動に出るのですが、「愛」はあったのかな?と思ったりしました。最後に修理工のクロアチア人男がトラックで去っていくところをひそかにながめているようなので、成就できない想いだったのか…と。

エンディングは本当に静かでした。
扉が開かれ、男性が女性に寄りかかり、多少、救いがあったのかと。

ストーリー性はありませんが、始終、緊張感のようなものがはりめぐらされているので、退屈することなく見ることができました。

実際の民族紛争などが詳しく描かれているわけではないので、登場人物の心理描写と時代背景を想像しながら、何かを感じていく映画かも。

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mitty

4.0セルビアとクロアチア

2018年5月19日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

怖い

同じ村にセルビア人地区とクロアチア人地区があった。
セルビア人の女性とクロアチア人の男が恋に落ちるが、男はセルビア人に射殺されてしまう。
10年後、内戦が終わり女性は村に戻ってくる。
兄はクロアチア人に殺されたらしい。
壊れた家の改修にやってきたのがクロアチア人の若い大工さん。
日常に戦争が入り込み、人生を変えていく。

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いやよセブン

4.0隣人が敵になる時

2017年9月9日
iPhoneアプリから投稿

悲しい

楽しい

怖い

どういうことか、あまり知らないのだけれど、隣人が敵になって殺しあっていたことと、その後の傷を描いた映画。

俳優さんたちがとてもうまく、語らなくても眼差し、態度、表情で演技していた。

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Momoko

3.5ひとことReview!

2017年4月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

知的

3つの時代と、3つの愛に、3つの悲劇。それだけで、じん、とくる。

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極東新天地

3.5海は青いのに

2017年1月25日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

幸せ

1991年、2001年、2011年の3話構成。
一話目は特に、民族間での争いが決定的になる中で起きる悲劇。あまりの理不尽さに腸が煮えくり返る。
続く2つの物語は戦争の傷を抱えた者の話。それぞれの中で頭と心がぶつかり合い、失ったもののために自分の幸せだけを素直に望めない。
青い海と明るい陽気の地で起こる事だけに、廃墟を見ても人の顔を見ても、悲しさが余計に際立った。

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komasa

3.0難しいけど‥

2016年12月24日
iPhoneアプリから投稿

旧ユーゴの独立紛争が主題で全てはそこに尽きるのだけど、完全に社会的な映画かというと、そうではないところがこの映画を救っている。3話のオムニバスの主役になる男女は、異なる話でありながら、同じキャストが務めるという、手の込んだ仕掛けがある。さらに、これは自分も完全には読み解けなかったのだけど、3つの話は別々の話のようであり、しかし登場する家族は少しだけ連続している。ここで観るもののアタマを混乱させながらも、それぞれの話の男と女に世界に心は吸い込まれていく。ひょっとすると、監督は紛争のことより、これがやりたかったではと思わせるほどである。
他にも、海を泳ぐシーンの映像なども、主題とは関係ないところで、作り手の遊びがある。
ただ、ラストではざらついた気持ちをふっと穏やかにしてくれるシーンが用意されており、エンドロールでそっと涙を拭くことができる。

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そらいろのたね