「シャーリーズ・セロン及びクロエ・グレース・モレッツの演技は強く印象に残ったが、謎解きにはモヤモヤが残った」ダーク・プレイス Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
シャーリーズ・セロン及びクロエ・グレース・モレッツの演技は強く印象に残ったが、謎解きにはモヤモヤが残った
ジル・パケ=ブレネール監督(アガサ・クリスティーねじれた家等)による2015年製作のイギリス・フランス・アメリカ合作映画。
原題:Dark Places、配給:ファントム・フィルム
原作は未読。途中まで凄く面白かったのだが、謎解きの終わり方がすっきりとせず、その点は残念であった。そう、シャーリーズ・セロン演ずるリビーが何故嘘の証言をしたか、それが綺麗には分からず(混乱してる中、警察に証言を誘導された?)、モヤモヤが残ってしまった。
ただ、俳優達、特にセロン及びクロエ・グレース・モレッツの演技は、強く印象に残るものがあった。主人公(ずっと野球帽を被っていた)セロンが、真相が分かって、許すことを覚え、更にきちんと普通に生きていく決意をするラスト(帽子はもう無い)はとても良かった。帽子は本来の自分を押し込めることの象徴か?モレッツの悪女ぶりもなかなか良かった。
ただ、自分で働かず惰性で生きている様なセロンという設定だが、あまり自堕落な人間には見えないこと。それから、基本的にとても真面目そうに見えるお兄ちゃん(ベン・デイ)が、いかにも悪女のモレッツをずっと大切にすることの説得力には欠けている様に思えてしまった。真面目男を虜にする悪女のどうしようもない魅力までは、表出されていなかった。そういう点では脚本・演出は、問題有りかもしれない。良い雰囲気はあっただけに、少々残念であった。
製作ステファーヌ・マルシル、シャーリーズ・セロン、A・J・ディックス、マット・ジャクソン、マシュー・ローズ、キャシー・シュルマン、製作総指揮ピーター・サフラン ジンジャー・スレッジ、ジリアン・ロングネッカー、トビン・アームブラスト、ガイ・イースト ナイジェル・シンクレア、アレックス・ブレナー、マティアス・エーレンバーク、ニコラス・バイバーグ、ジェフ・ライス。
原作ギリアン・フリン小説「冥闇」、脚本ジル・パケ=ブレネール。
撮影バリー・アクロイド、美術ローレンス・ベネット、衣装エイプリル・ネイピア、編集
ビリー・フォックス、音楽BT グレゴリー・トリッピ。
出演は、シャーリーズ・セロン(リビー・デイ)、ニコラス・ホルト(ライル)、クロエ・グレース・モレッツ(若き日のディオンドラ、キャリー等)、クリスティーナ・ヘンドリック(スパティ・デイ)、コリー・ストール(ベン・デイ)、タイ・シェリダン(若き日のベン)。