ヒトラーの忘れもののレビュー・感想・評価
全90件中、1~20件目を表示
戦後デンマークで地雷撤去を命じられたドイツ少年兵たち。大人が始めた...
戦後デンマークで地雷撤去を命じられたドイツ少年兵たち。大人が始めた戦争に敗北した結果の理不尽な尻拭い。最後の彼らの帰還シーンで安堵と不安が交錯する中、戦争の残酷さと赦しの意味を深く考えさせられる作品です。
少年兵の哀しさ
第二次世界大戦の戦後処理の話。デンマーク人軍曹と敗軍ドイツの少年兵たちが、連合軍の大陸上陸に対する防備の為に、デンマークの海岸線に大量に埋められた地雷を除去する任務を背負わされる
映画前半デンマーク軍曹が、中学生〜高校生くらいの少年兵たちに理不尽なほど辛く当たっていて、わりとそういうの平気な私ですが、配信で鑑賞してるのをいいことに1回脱落しました(暴力というより、冷遇する態度がつらい)
互いの共通言語がドイツ語なのに、全く心が通わない。近くに住む(おそらく戦争未亡人の)母子のうち母親も、彼らに激しい憎しみを剥き出しにする
まぁしかし映画の定石として、物語が進むにつれて互いに通う気持ちが生まれるも、「地雷を踏んだらサヨウナラ」の文字通り、吹き飛ばされて跡形も無くなってしまう者が…
戦争は弱い者を更に追いつめる。そこに一番皺寄せがいく。争いのなか逃げ惑う難民たちもあらわれる…ただ普通の生活をしたいだけなのに…
少年たちが死亡フラグを立てまくる
この作品が戦争映画だとするならば排除すべき敵は地雷だ。敵は作品冒頭から常にどこかに潜んでいる。姿を見せなくとも登場キャラクターたちの命を刈り取ろうと狙っている。何の前触れもなくその瞬間が訪れる緊張感は凄まじいものがあるね。
それに加えてドイツ人少年たちが死亡フラグを立てまくるのがスゴい。
やれ帰ったらあれをするだのこれをするだのと、「故郷に帰ったら結婚する」と「子どもが生まれた」の変化球を投げまくる。
お前らそんな事言ってたら映画的に死んじまうぞと猛烈なツッコミを入れてしまう。
もう、いつ誰が死んでしまってもおかしくない状況がすっかり出来上がってしまったのだ。
しかしそんな死亡フラグは、見えない敵と対峙する恐怖や過酷な現状を克服するために必要な希望なんだ。
軍曹だって、強制的に希望を言わせることで少年たちを鼓舞していた。
希望がなければ戦えない。敵を前にうずくまるしかない。しかしうずくまることは許されず、ただ追い込まれ精神をすり減らし、現状から逃れることだけを考えるようになってしまう。逃れる方法は死しかない。
物語は終戦後の人間性についてだったと思う。
極端な言い方をすれば戦争中はただ殺し合えばいいが、終戦したらどうだ。スポーツのようにノーサイドで敵味方なく抱き合えるはずもない。
設置された地雷が試合終了のホイッスルと同時に消える訳でもない。
憎しみの心を少しずつ違うものに変えなければいけないが、それは容易いことではない。
それでも軍曹の心のように揺れるものはあるはずだ。
あと、原題が「俺の国」と「地雷原」のダブルミーニングになっていて秀逸だ。
訳したら意味が失われるので邦題は仕方ない。
緊張感もあり、つらい映画ですが色々考えさせられる良い映画です。
戦争の犠牲になるのはいつも
一方的に攻められたデンマークから見ればたしかに
ドイツは憎むべき敵でくそナチスなのだけれど、
目の前の一人一人が該当する敵なのか、というと
そこは何とも判断できるもんではない。
戦時下においては敵も味方も
相手が同じ人間だということを忘れがちになるのだと
歴史を学ぶことで身に染みての教訓としなければいけないのだ。
年端も行かない少年たちが敵なんだろうか?
約束を反故にして敵国の人間なら
死ぬまで使い倒して捨てればいいって言ってるのが
味方なんだろうか?
現在はロシアによるウクライナ侵攻のせいで
フィクションとして観にくい。
ウクライナに限らず常に世界のどこかで
こういうことは起き続けている。
戦争の犠牲になるのはいつも女性や子供たち
権力のない者、弱いものばかりだ。
被害者にも加害者にもならないように
Noと判断できるように
ぼんやりせずに目を見開いていなければいけないのだ。
【ヒトラーの言語同断の所業が齎した、余りに哀しいドイツ少年兵に指示された過酷な業務を描いた作品。】
ー 地雷とはいったい誰が考えたのだろうか。今でも戦闘地域に多数埋蔵されている地雷。そして、その撤去作業は過酷である。
亡き、英国王妃であるダイアナ妃が反地雷活動に自ら取り組んでいる姿を見た時から、私は彼の方の生き方を指示した事を思い出す。-
◆感想
・今作の冒頭でデンマーク軍のラスムスン軍曹は撤退するドイツ兵に対し、厳しき行為を行う。描かれてはいないが、彼がナチスドイツに非道なる行為を受けた事が分かる。
・そして、場面は変わりデンマークの海岸が描かれる。立ち入り禁止のロープ。そこにはナチスが仕掛けた地雷が200万個!あるのである。
ー SSを主としたナチスの中心人物は戦争犯罪のために裁かれている故に、地雷撤去の作業に強制的に従事させられるのは、ドイツ軍の少年兵である。-
■地雷撤去の練習のシーンから見ている側はキツイ。手が震えて信管を上手く抜けずに自爆するシーン。
・最初は彼らに対し、厳しく接するラスムスン軍曹であるが、爆死した双子の少年兵、ヴェルナールの姿を見て、考えが変わって行く。
・だが、彼の愛犬が安全だと、ドイツ兵が言うゾーンに入って行って、地雷に触れてしまうシーンから、彼の考えは揺らいでいく。
■ドイツ軍を憎む母親の幼子が危険地域に入ってしまった時に、彼女を助けるヴェルナールの弟エルンストは、彼女を助けるがそのまま危険地域に足を運び、自爆する。
・更に、”これでドイツに帰れると明るい顔で言っていた兵たちのトラックが信管を抜き忘れた地雷があった故に、爆発するシーン。
<今先は、許されざるナチスドイツの所業を仄めかせつつ、その後処理をさせられた少年兵たちの過酷な姿を描いた哀しき作品である。
今でも、アフガニスタンや、シリア、イラクには多数の地雷があり、それにより何の罪もない民が命を失われるか、手足を無くしているそうである。
何とも形容し難い重い気持ちが残る、反戦映画である。>
砂の下
ヒトラー❗️どんだけ忘れ物してんだよ💢
永久保存版🙆♂️
飛行機の中でびしょ濡れ
しんどい。これが戦争か…
とても面白かった。
いつ爆破するか分からない地雷が、
緊張感の持続性となって
最期までドキドキした。
強烈な戦争映画であって青春映画でもあるところが
良かった。
最初に引き上げて行くドイツ兵士をボコボコに殴るシーンが
伏線となって、
次第に少年兵と心通わして行く様は感動するし、
微笑ましくもあった。
だけど、やはり戦後間もない他国の組み合わせが
簡単にハッピーエンドに向かわないのも味噌。
軍曹役の人も威厳とどこか愛嬌もあって良かったけど、
少年兵達が親から離され、今日死ぬか分からない所に連れてかれ、小さい小屋に押入れられて、飯も与えられず、
その中で絆みたいな物も垣間見られ、
今を必死に生きてる良い顔しててとても良かった。
終わりが軍曹この後どうなるんだ?と言う突然終わった
みたいな感じがちょっと残念だったけど、
とても良い映画でした。
静かな大量虐殺
責任と理不尽を突きつけられる映画
ラストシーンも念願の想いが成就するハッピーエンドであるはずなのに、全くそんな感じがしないというのがこの映画を物語っていた。
とにかく地雷がいつ爆破するのかが全く解らない緊張感が画面を通してもリアルに伝わってくるのがこの映画の凄い所。
本当に予期せぬタイミングで、まるで自分もその場にいるかのような臨場感をつきつけられて、地雷が爆発する度に身体がビクリと反応する感覚が凄まじいの一言。
大量の地雷をなんでそんなに埋めたのか、何故埋めた大人が撤去しないのか等、理不尽な状況の中でドイツに帰るという事だけを夢に頑張る少年兵が痛々しすぎる。
子の責任を親が取るのではなくて、親の責任を子が取る状況が本当に理不尽すぎる。
『ヒトラーの忘れもの』なんていうタイトルももうちょっと何とか出来ただろと思うぐらいチープすぎる。
勝手に占領してきて、勝手に自国の領地に地雷をアホみたいに埋めて、その責任を死をもって取るというのは自業自得で間違いないのだけれど、違うと否定したいのだが、では何が正解かと言われると全くもって解らない。
自分はただの傍観者である事を痛烈に思い知らされる映画でした。
父性と憎しみの狭間で
ずーん
全90件中、1~20件目を表示