「戦争の残滓」ヒトラーの忘れもの mittyさんの映画レビュー(感想・評価)
戦争の残滓
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1945年5月、ドイツが無条件降伏し、デンマークにはドイツ軍の少年兵たちが残された。少年たちはナチスがデンマークの海岸に仕掛けた無数の地雷を撤去することを強要される。エンディングでもテロップが出るけれど、これは実話らしく、かなりの数のドイツ兵が死亡したらしい。
映画のポスターには「少年たちが見つけるのは、憎しみか明日への希望か」とあり、あどけない顔した少年が海岸に横たわっている。タイトルが「ヒトラーの忘れもの」。ほんわかしたヒューマンドラマなのかと思ったら、うぅむ、これは、ちょっと見るのが辛くて、胸が詰まって涙が出そうになりました。
まだ、お尻が青いような少年らが、こわごわ、素手で砂をかきわけて地雷を撤去していくとは。下手に扱うと一触即発で命が吹っ飛ぶ。食事もろくにもらっておらず、寝る時間は決められて、逃げ出さないようにドアに錠を下ろされて。
鬼のような軍曹は当然、ドイツへの憎しみがあるけれど、任務と立場と正義の葛藤の中で心が氷塊していき人間らしさを取り戻していきます。最後に、軍曹は約束どおり、少年たち4人を母国へ帰します。少年たちは家に帰れたんだ。最後はせめてもの救いでした
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