「僕たちが憎いから爆死しようが餓死しようが関係ないと?」ヒトラーの忘れもの shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
僕たちが憎いから爆死しようが餓死しようが関係ないと?
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映画「ヒトラーの忘れもの」
(マーチン・ピータ・サンフリト監督)から。
タイトルの意味は、冒頭にサラッと説明される。
「ドイツによる5年間の占領が終わった。
ナチスが西海岸に埋めた地雷は220万になる」
デンマークの海岸沿いに残された無数の地雷こそ、
「ヒトラーの忘れもの」なんだとよくわかる。
その地雷撤去を、敗戦国ドイツ軍の少年兵に強制していた、
その史実も驚いたが、もっと驚いたことは
作品の製作国が「デンマーク・ドイツ合作」だったこと。
第2次世界大戦直後、それほど憎みあっていた両国が、
どちらかの国を美化するのではなく、しっかりと現実を見つめ、
自分の母国がしたことへの反省と、責任を感じて作った、
そんな気がしてならない。
心に刺さる台詞の中から、いつ地雷に吹き飛ばされるか分からない、
食べ物も満足に与えられず、腐ったものを食べて嘔吐下痢を繰り返す、
そんな極限状態で、ドイツ少年兵が、デンマークの人たちに叫んだ、
言葉を選ぶことにした。
「僕たちが憎いから爆死しようが餓死しようが関係ないと?」
人間って、どこまで冷酷になれるんだ・・と怒りが込みあげたが、
それを救ってくれたのが、ホッとして涙腺が緩んだラストシーン。
ハッピーエンドとは言えないけれど、それでも温かい気持ちになった。
日本もこういった映画を作るべきかもなぁ。
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