「ヨハン・ヨハンソン最高」ボーダーライン(2015) HIRAさんの映画レビュー(感想・評価)
ヨハン・ヨハンソン最高
日本では見慣れない砂漠的な乾いた映像と
ヨハン・ヨハンソンの重厚かつ宇宙っぽい
不協和音めいた音楽が最高で、サントラ的に
何回も観ている。
麻薬カルテルや国境問題、複数組織の
玄人の共同作戦が絡み合って誰も幸せに
ならない感じがめちゃ面白かった。
エミリー・ブラントが良かった。
女性FBI捜査官が元々神経衰弱気味なのに、
とことんやられてしまうのがいい。
法律やルールブックが通用しない世界で、
パッと見女性が主役に見えるが、実際は
なんら役にたっていないのがいい。
ある意味リアルが描かれていたと思う。
打ちのめされているのが痛々しい。
気持ちは分かるが綺麗事だけで話が通じる
世界じゃなく地元警察やFBI的仕事は出来ても、
軍事作戦や闇世界の汚い世界ではジョシュ・
ブローリンやめちゃ怪しいCIAドノヴァンや
何者?的なデル・トロが活躍するリアルな感じ
がいい。
淡々とした日常(日本からしたら非日常すぎるが)
淡々とした作戦、淡々とした挫折、
ただの作戦が一つ消化されただけな結末で、
完全な勝利がないのがいい。
デル・トロが復讐を成し遂げたはずだけど
多分もう何も感じていない感じがいい。
最後、サッカーをしてた息子もきっと恐らく
父親と同じように汚職に手を染めるかもしれ
ないし、ギャングや組織の人間になるかも
しれない救いがないほの暗さがまた良かった。
銃撃の音が日常の平和な一コマがみんなが
逞しくて悲しい。
原題の"シカリオ"もカッコいいけど、
1作目に関しては邦題の"ボーダーライン"も
色々意味深で良かった。
エミリー・ブラントを主役とするなら
明らかなラインが他の人達と比べてあって
多分良心を残した人間には踏み越えれない
世界なんだろう。
そこでも突き抜けた存在のデル・トロが
2作目でエミリー・ブラントポジションに
なるのが解せない。
自分の中では2作目はヨハン・ヨハンソンも
亡くなっていたし無かったことになっているw
3作目が進行中らしいが、観たいような観たく
ないような。