「重みを増したテーマへ」モンスターズ 新種襲来 MASERATIさんの映画レビュー(感想・評価)
重みを増したテーマへ
危険区域からの逃避行を人間らしさたっぷりに描いた前作と変わり、モンスターへの空爆を怠らないアメリカに対し、空爆によって被害を被った人々が武装勢力と化して本来ならば力を合わせるべきはずが戦争へと発展してしまった世界を描いた作品となった。
主人公は、堕落した人生を送り、何となく軍に入所した青年。そんななか派遣された中東で、行方不明の同胞を救助しに行く指令を受け、危険地帯を抜け向かうのだが、途中で武装勢力に攻撃を受け…
このようにモンスターそっちのけでアメリカ軍対武装勢力の戦いがメインとなる。
こういう作品はアメリカ寄りに作られて、アメリカ=ヒーローのようなイメージを与えられるが、本作ではアメリカ軍の空爆に巻き込まれたスクールバスと焼け死んだ子どもたちが映るシーンがある。犠牲無くして勝利なしという言葉があるが、これはその犠牲と一緒にして良いのか?と考えさせられる。これは今現在の世界で起きている裏の出来事の数々を描いているようだ。一方でモンスターはみるみる巨大化し、数を増やしていく。まるでそれらが人間の闇を吸収し、膨れ上がった象徴のようにも感じる。
恐ろしい映画を観た。観賞後にそんなことを感じた。
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