「将棋の魅力を伝える点では「聖の青春」を超えた」3月のライオン 前編 AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)
将棋の魅力を伝える点では「聖の青春」を超えた
将棋映画の波が来ているのだろうか。一見地味に思える将棋盤に向き合っての勝負が、意外とスクリーン映えすることを作り手が再認識しているのかもしれない。
松山ケンイチ主演の「聖の青春」が昨年11月に公開され、半年もたたないうちに本作。ただ、こちらは前後編二部作のため尺に比較的余裕があるという強みから、盤上のスリリングな勝負を割と丁寧に描いている。基本的な駒の動かし方を知っている程度の観客でも、差し手の妙味がなんとなくわかって楽しめるはず。
対戦中に棋士たちの心の声を流す演出も、原作コミックを踏襲しているとはいえ効果的。中継を見ている人たちの解説も加わって、勝負の面白さを一般観客向けにわかりやすく伝えようとする工夫が感じられて嬉しい。
ひなた役の清原果耶は、「あさが来た」の頃から急に成長した印象。出演作品が一気に増えそうな好演だった。
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