劇場公開日 2016年1月16日

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「宗教と戦争と医学」千年医師物語 ペルシアの彼方へ マリン33さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0宗教と戦争と医学

2023年2月8日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

興奮

知的

原作本は未読、ベストセラーなんですね!読んでみたいけど映画よりずっと時間がかかりそう…。

アロマテラピーの学習をしていた時にイブン・シーナの名は目にしていました。植物芳香療法は外科的西洋医学が発展する前主流だったようです。

人体の仕組みを知りたくても宗教上の理由で許されず、またどこの国の人間かよりどの神を信仰しているかが重要な時代であったことを知りました。死をもたらす脇腹の病気が今の虫垂炎(盲腸) とは、解剖しない限りわからないことだと納得。

黒死病の患者を敵の城内に送り込むやり方は細菌兵器扱い?と言葉を失いました。
戦争は非人道的行為です。
現在のコロナ禍と同じように当時も対症療法しつつ観察して一つずつ要因を潰していく過程、医療従事者の命をかけた治療に頭が下がります。

昔の偉人は一つの能力に特化するスペシャリストより、天文学哲学芸術など多岐に渡って能力を発揮していて尊敬。その教えを書物や弟子が引き継いで現代まで紡がれているのですね。

大航海時代十字軍遠征で東西交流が盛んになり、知識も広がり医学も進歩しましたが戦争が交流の一因となるのは悲しい。

本作の主人公のように志ある若者の冒険は夢なのかな…それでも私にとっては良い夢でした☆

マリン33