「引き込まれ続けの2時間半」カリートの道 きーとろさんの映画レビュー(感想・評価)
引き込まれ続けの2時間半
アルパチーノの出演作は数本観たことがありますが、その中でも一番格好良い姿が見られたように思います。彼のファンは観て損はないかと。
黒のロングコートがとても様になっていました。
昔裏稼業をやっていて、今は引退したいと考えているけどゴタゴタに巻き込まれてしまう、という話です。ありがちなストーリーではありますが、カリートの仁義を重んじる生き方に感情移入して、ぐっと引き込まれて見られました。約2時間半の作品ですがダレることもなく、良かったと思います。たまに入るカリートのモノローグも好きでした。
序盤のバーのトイレでのハッタリ怒鳴りシーンはちょっと笑ってしまいました。でも、あそこから既にマフィアに友情なんて存在しないことを示しているんですよね。
ショーンペンが最近のイメージと全然違ってビックリしました。演技は良かったです。ドラッグと精神的疲労でヤバくなっていく様子が怖かったです。そして終盤はクソ野郎で、腹が立つこと請け合い。
ペネロープアンミラーもとても綺麗でした。女性らしさがあるうえに、芯の強そうな感じが素敵でした。
カリートがヴィニーの警備員姿を浮いている、と言っていましたが、私から見ても絶妙な浮き加減なのがおもしろかったです。
そしてその後、カリートがクラインフェルドの銃から抜いた弾を捨てるのが格好良くて…印象に残るシーンでした。
カリートの昔の仲間との繋がりに絆なんて全くないのが哀しすぎました…それよりひどいのが一般人、しかも弁護士のクラインフェルドなんだからもう絶望しかなかったですね…。
終盤の地下鉄シーンはドキドキしっぱなしでした。エスカレーターに仰向きに隠れて乗るところ、なんだか好きです。
そしてオープニングと同じ展開に…もしかしたら、と違う展開を期待してしまいましたが…。ラストの曲がまた沁みる…。
格好良く、哀しい、いい作品でした。